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婚約者に捨てられ、親友に裏切られた私ですが――どん底からのストーリー  作者: ワスレナ
第四章

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第47話 綾乃さんからのお誘い、尚也さんの兄と姉の存在

「今度の日曜日、時間があれば私の家に来ない?」


 きっかけは綾乃さんからのお誘いだった。


 断る理由も用事もなかったので、二つ返事でオーケーした。


 そして今日、約束の日曜日。


 前日から慎重に着ていく服やアクセサリーを考え、準備した。


 淡い黄色のワンピースに麦わら帽子。お気に入りのネックレスにハートのイヤリング。


 お化粧は全体的にナチュラルな感じで濃いピンクの口紅。


 ばっちり決めて家を出た。


 約束の時間は朝十一時。


 教えてもらった地図を頼りに、十分前に到着した。


「うわっ! さすがは会長宅。大きな家ね……」


 豪華な邸宅に息を呑む。


 門の前でドキドキしながらインターホンを押すと、若い女性の声が聞こえた。


 お手伝いさんだろうか。


 名前を名乗ると、門を開けてくださった。


「すごい庭ね……綾乃さん、素敵すぎる」


 広く手入れされた庭を横に見ながら、立派な豪邸の玄関の前まで来た。


 大きな扉が開き、中から綾乃さんが出てきてくださった。


 白を基調にした着物のお召し物を着ている。


「おはようございます。お招きいただき、ありがとうございます」


 深く一礼した。


「よく来てくれたわね。さあさあ、入って」


 綾乃さんはニコニコして中へと招いてくださった。


「わあ! 素敵なものばかりですね」


 見事な生け花や素晴らしい絵画が私を迎えてくれた。


 同時に、数名のメイドさんや家政婦さんたちが出迎えてくれた。


「よ、よろしくお願いします」


 気後れしつつ、会釈した。


 彼女たちは、私に深く一礼するも、珍客が来たとばかりに、好奇のまなざしを向けている。


「いいのよ。さあ、案内してあげて」


 綾乃さんの一言で彼女たちは散り散りになり、そのうちの一人が私を案内してくれた。


「さあ、こちらへどうぞ」


 長い廊下を歩くと、エレベーターが見えた。


「うわぁ、すごいですね!」


 思わず声が出てしまった。


「まだまだ階段で登れるんだけれど、周りからつけろつけろと言われてね」


 エレベーターを待つ前で、綾乃さんが教えてくださった。


「そうなんですね。素敵です」


「喜んでくれて、うれしいわ」


 綾乃さんがにこやかに答えると、エレベーターが開いた。


 メイドさんの先導で綾乃さんと私は中に入った。


 ボタンを見ると、五の数字がある。


「五階まであるんですか!?」


「ああ、五階は物置よ。今日は三階ね」 


 エレベーターは三階で止まり、メイドさんが先導してくれる。


 また廊下を歩いて、私はとある一室である、応接室に通された。


 十六畳はあるかという、とても広い部屋。


 絵画や植物がちらほら置かれている。


 思わずきょろきょろと見てしまう。


「さあ、お座りになって」


「失礼します」


 私は案内され、銀色に輝くふかふかのソファーに腰かけた。


 綾乃さんはメイドさんに指示すると、一礼して退室した。


「これでゆっくり話ができるわね。いろいろお話を聞かせてちょうだい」


「は、はい。私の話がお気に召すかどうかわかりませんが……」


「未春ちゃんの話はみんな楽しみよ。何でも教えてちょうだい」


 綾乃さんはそう言って目をキラキラさせている。


「わかりました」


 その後、私は自分の好みのことや、尚也さんとのこれまでの話を綾乃さんに話した。


 途中、メイドさんが紅茶を出してくださった。


 綾乃さんはずっと目を輝かせながら、時折(うなず)いて話を聴いてくださった。


 そんな楽しい時間が一時間ほど経った頃。


 尚也さんの話をしていた時、綾乃さんが口を開いた。


「実はね……尚也には兄と姉がいるの。彼から聞いたことはある?」


 突然のことで、私は少し驚いた。


「いいえ。初耳です。ちょっとびっくりしました」


 私が少し目を丸くしていると、綾乃さんもそれを察してくださる。


「そうだったの。あの子ったら、未春ちゃんに変な気を(つか)わせたくなかったのかもね」


 綾乃さんはそう言うと、少し視線を斜め下に落とした。


「一成の長男と長女になるわ。兄は弘明、姉は美玲(みれい)というの。彼らは小さい頃からとても優秀でね、常に尚也の目標となっていたわ」


「そうなんですね」


「ええ。それゆえ、弘明と美玲は尚也にとって、いつまでも越えられない大きな壁の存在でもあったみたい」


 綾乃さんは紅茶を一口飲み、再び話し始める。


「弘明は今、アルトナコスメティクス、そして美玲はフェルミナ・ビューティで幹部の座にいるの。二人とも、この会社、親の七光りと言われるのをすごく嫌がったのよ」 


「そ、そうなんですか……」


 でも、二社とも業界で五指に入るほどの大企業。


 尚也さんのお兄さん、お姉さんは本当にすごく優秀なんだ。


「今後、あなたも知っておいてほしかったの。尚也と一緒にいる以上、きっと関係してくることだと思うから」


 綾乃さんの目は真剣だ。


「わかりました。ありがとうございます」


 その後も、綾乃さんと色々な話をし、楽しいひと時を過ごしたのだった。


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