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婚約者に捨てられ、親友に裏切られた私ですが――どん底からのストーリー  作者: ワスレナ
第四章

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第41.5話 天界での憂鬱①

『『あぁ~、退屈だわぁ』



 天界は穏やかで晴れ渡っていた。


 その中のとある神の神殿。


 全長五メートルほどの目も眩むほどの美しい女神。


 彼女は肩ひじを突き、ため息をついた。


「どうしました? 書類の山で忙しすぎてお疲れですか、アフロディーテ様?」


 その隣でキューピッドがハエのように飛び回り、たしなめている。


『いいえ、退屈そのものよ。あの子から連絡すらなくなっちゃったしね~』


「退屈? あの子?」


 キューピッドの問いに、アフロディーテは鋭い目つきで答えた。


『未春ちゃんよ。この前行ってもらったでしょ』


「あ、ああ! あの女の子ですね」


『そうよ。せっかく目をかけてあげたのに』


 アフロディーテは不満げな表情で吐露する。


 そんな女神にキューピッドが助言する。


「ですがアフロディーテ様、それはよいことではないですか?」


『え?』」


「ほら、彼女は色々な経験をしながら、順調に幸せに向かっています。これはもう、アフロディーテ様のおかげと言ってもよいですよ」


『そ、そうかしら』


「そうですよ、さすがはアフロディーテ様!」


 アフロディーテは満面の笑みを見せた。


 そんな姿に安心したのか、キューピッドが彼女を動かそうと説得する。


「それよりアフロディーテ様、ほかの人間たちのことを考えてくださいよ。この書類の山、整理していきましょうよ。貴女が本気出したらこんなの、すぐなんですから~」


 そう言ってアフロディーテを見たキューピッドは、妄想に(ふけ)る彼女に気づく。


「だめだこりゃ……」


 キューピッドはうなだれていたが、突然何かを思い出し、背筋をピンと伸ばした。


「アフロディーテ様!」


『何よ、そんな大きな声を出さなくても聞こえてるわ』


 面倒そうな表情の彼女に、キューピッドがニコニコしながら答える。


「今いいことを思いついたのですが、聞いてくれます?」


『ええ、いいわよ。どうせ暇だし』


 最後の言葉に引っかかりつつも、キューピッドはアフロディーテの耳元に止まった。


「実はですね……」


 ごにょごにょと話が伝わるたび、アフロディーテの表情が明るくなっていった。


「どうです?」


『それはいいアイデアだわ。貴方、天才ね』


「えっへん!」


 キューピッドは得意げにポーズを決める。


『早速取りかかりなさい。吉報を待ってるわ』


「がってん承知! では早速……」


 キューピッドはそう言うと、パッとその場から姿を消した。



 ひとり残された美しい女神は、少しだけ翼を震わせた。


『うふふ。楽しみね。待っていてね、未春』


――そう言って微笑むと、女神は椅子にもたれ、優しい風を感じながら(たたず)むのだった。



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