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私は貴方のファンです!

作者: あの人

※これはコスプレイヤーをほぼ知らずに独調べによるものです。これはコスプレイヤーぽくないとかこんなん違う!とかは受け付けません。


「皆、来てくれてありがとう……今日は私の大好きな推し様と私の過去についてお話するね!」

私は今は大人気のコスプレイヤーである。

でも、昔は根暗で怖がりで話下手で陰キャで親がクズ野郎のオタクでした。

これはそんな今の私に至るまでの話。

ある日、大好きな推しのコスプレイヤーさんが近くの会場に参加すると聞いて行ってみることにしました。

そしたら慣れてないせいで迷子になってしまって明らかにコスプレイヤーさんが使ってそうな更衣室の所まで来てしまいました。

色んな人が大丈夫ですか?とか聞いてくるけど、パニックで泣きそうになっていると

「もしかして〜妹〜?」

そう推し様の声に似てる人が後ろから聞こえてきて、慌てて後ろを向くと推し様が立っていた。

「あれ〜?大丈夫〜?」

そう言って凄く顔を近づけてきて、気が付いたら知らない所で推し様に膝枕されながら寝ていた。

近くには色んな人が居た。

「凄く可愛いですね〜!妹さんですか?」

「妹さんも美人ですね〜!凄く羨ましいです!」

「そう〜?ありがとう!」

他のレイヤーさん達も集まっていて、可愛いとか寝顔も可愛いとか様々な事を言われていた。

その為、しばらく寝たフリを続けて心が落ち着くまで待って起きた。

「……あれ?って…す、すみません!すみません!」

「……結構前から起きてたでしょ〜?誤魔化せないよ!」

「…あっ…はい。してました……すみません!」

「凄く可愛かったよ!」

そう言われて、私は茹でられたタコみたいになって硬直してしまった。

そうしてたら他のレイヤーさん達が笑って

「ンフフ……すぐに表情動いて面白いね!えっと…妹兼弟子ちゃん!」

そう言われて私はもっと硬直してしまった。

「だよねぇ〜!本当に愛おしいんだぁ〜!」

「そ、そうですか?」

「うん…だからさ!妹兼弟子で良いよね〜?」

「は、はぃ〜」

「わ〜い!今日から宜しくね〜!」

「じゃ!あたしとも親友だね!宜しくね!」

「はい!推し様のお友達のゆかり様ですね!宜しくお願いしたします!」

「知っててくれてるんだ〜!嬉しい!」

「いえ、推し様のご友人ですので当然です!」

「あれれ〜?結構マイナーなのになぁ〜!」

「それ程でも!」

「褒めてないと思うよ〜!」

そんな話をしていたら、イベントが開催したみたいだった。

「あ、まだしてなかったんですね!」

「うん!それじゃ行こうか〜!大丈夫そうだし!」

「え?」

そう言われて強制的に連れてかれたのでした。

「基本的にイベントの時の推し様ってどんな感じなんですか?」

「ん〜?基本的に私が居ること気づかずに帰ったり、ファンに流されて迷子に……」

「待って!待って……内緒だから〜!」

なんか、推し様の意外な一面と私と共通点があるのに少し嬉しくなりました。

しばらくしたら、ファンの人達に溢れていて目が回りそうでした。

色んな人達が居て、私もここに居たのかな〜と思っていたら、ひょいと抱えられてびっくりしました。

「また、来ちゃいました〜!あの……」

「写真だよね!良いよ〜!見て〜妹なんだ〜!初めて来たから少し戸惑ってるみたいだけど、仲良くしてあげて〜!」

「はい!妹さん!宜しくね!また、何処かで会えると良いね!」

「……はい。そうだと良いです。で、お…ムグッ」

口を塞がれたまま写真を撮りました。

その人が行った後に推し様がボソリと言いました。

「コラコラ〜!お姉ちゃんでしょ〜?」

「で、でも……」

「お姉ちゃんだよね〜!」

「は、はい!お姉ちゃん!」

「は〜い!な〜に?」

無言の圧を感じてこれからはそう呼ぼうと心に誓いました。

「…………」

(やっぱり、弟は可愛いなぁ)

お昼過ぎぐらいに、人が減ってきて安堵しました。

「凄いですね、お姉ちゃんもゆかり様も全然大丈夫そうですね!」

「そう〜?あたしは良いとして蘭花は3日は持つゾンビみたいなやつなんだよ!」

「へぇ〜!凄いですね!」

「まぁ〜ね!」

「……ゆかり様、おし、お姉ちゃんとはいつ頃出会ったんですか?」

「いつだったかなぁ、あんま覚えてない、ごめんね〜!」

「あ、いえ。大丈夫です!」

「何々〜?内緒話〜?混ぜてよ〜!」

「あはは……」

「そうだ!トイレ行こう!」

そう言われて、了承も得ずに連れてかれました。

そういう所も凄く好きです!

「ねぇ、そういえば妹兼弟子ちゃん!」

「はい!なんでしょうか?」

「名前ってなんていうの?てか、男の子だったんだね……」

一禾いちかです!それに男ですよ!」

「そうなんだね〜」

「一禾……ふ〜ん、可愛い名前だね!自分は玲音れおんだよ!」

「え、話して良いの……?」

「良いんだよ!」

「なるほど、蘭花じゃないんですか?」

(昔、一緒に暮らしてたお兄ちゃんと同じ名前)

「それは、コスプレイヤーでの名前だよ!本名は玲音なんだ!ここだけの秘密ね!」

「はい!分かりました!」

午後は他のレイヤーさんの所にも行こうと言う話になりましたが、少し歩けば話しかけまた少し歩けば話しかけを繰り返しており、人気者も大変だなと思いました。

その時はあっという間に流れて行ってもう帰る時になっていました。

「凄く楽しかったです!こんな楽しい日初めてでした!ありがとうございました!」

「まっ待って!」

「はい?どうしたんですか?」

(きゃぁぁぁ!推し様に手を掴まれたもう最高過ぎる!!一生手を洗わないと誓おう!!)

「一緒に帰らない?方向一緒なんだ!」

「あ!良いですよ……!」

ゆかり様とは別れて帰宅する為に家へ向かった。

「最近引っ越したんだぁ!」

「へぇ、そうなんですね」

「昔、住んで所でね、少し用が出来たから用が済むまでそこに居ることにしたんだ!」

「そうだったんですか?」

「そこで出会った女の子がね!会えるたびに挨拶してたんだけど逃げちゃって!」

「へぇ〜!そうなんですね!」

「でさぁ!」

「まだ話すんですか?」

「う〜ん、一禾ちゃんの話も聞きたいから、自分の質問に答えてよ」

「良いですよ!」

(なんかヤバい質問とかされないと良いけど……)

そんな感じで色んな話をしていたら、家に着いてしまいました。

「あ……」

「あっという間に着いちゃったなぁ!おいでよ…自分の家おいで!」

「はっ!で、ですが……」

「人を家に上げられるほど、綺麗じゃないけど上がってて!」

「………じゃあ、お言葉に甘えて!」

(推しの部屋!凄く楽しみ!最高のイベント過ぎる!)

「で、この家の前の子がそうなんだぁ!」

「へぇ〜!そ………」

(自分の家!?ヤバい、つい見惚れてて気づいてなかったけど、推し様が言っていた子って……私……!?)

「小6ぐらいぽそうなんだけど、人見知りなのかな?」

「そ、そうかもですね!」

「まぁ良いや、さぁどうぞ〜!」

いざ、推し様の家に入ってみると中は綺麗というか、何も無いというような感じだった。

「凄く綺麗ですね!」

「そう〜?結構汚れてる方だと思うけどなぁ〜!(⁄ ⁄-⁄ω⁄-⁄ ⁄)」

(照れてる……凄く素敵です!!)

パシャッ!

「え?……どうしたの急に?」

「なんか、凄く推し様が可愛かったのでつい……」

「……そう。あ!何か食べてく?上手じゃないけど!」

「なら、お言葉に甘えて……よろしくお願いします!」

「分かった!座って待ってて!」

「はい!」

数分後、凄く美味しそうな料理が出てきた。

「さぁ、食べて食べて!!」

「ありがとうございます!」

私は一口食べてポロポロと出会った時みたいに泣いてしまいました。

「だ、大丈夫!?」

「いえ、こんなに美味しいの……初めてで……凄く美味しくて……」

本当に凄く美味しくて、今までこんなの食べさせて貰えなかったからなのか、そう感じてしまった。

「あの……!」

お礼を言いたくて顔を上げたら真剣な顔で何かを考えているようだった。

「あ……!人が居るのに考え事なんて情けないね〜!ほら、これで涙拭きなよ!」

「あ、ありがとうございます!」

それから少しして私は、帰ることになった。

正直帰りたくなかったが、帰らないと推し様に迷惑がかかってしまう……その為、帰ることにした。

「家まで送るよ!」

「だ、大丈夫です!」

「目の前の家だから?」

「………」

「……怖いなら逃げて良いんだよ」

「だ、大丈夫です!怖いわけじゃないですから!」

バンッ。強く扉が開く音が響いた。

「おい!誰だ?家の前で騒いでる奴は……って、一禾じゃないか!お前がしたのか!あれ程、大声を出すなと何度も言っただろ!!」

お父さんはそう言って、手を振り上げてきた。それが怖くて目を瞑ったが、いつまで経っても降りてこなくて目を開けると推し様がお父さんの手を止めていた。

「………少し落ち着いたら、どうです?」

「な、なんだ!お前は……ガキのくせに生意気言ってるんじゃねぇ!!」

ドンッ

「……生意気言ってるのは、お前だろ!!いつまで子供に手を上げてるんだ!いい加減、気付けよ。クソ親父!!」

「……その言い方…」

お姉ちゃんはそう言って、ウィッグを外した。

それは紛れもない、お父さんの連れ子だったお兄ちゃんだった。

「はぁ、穏便に済ませようと思ったけど、弟にも手を挙げてたんだ?親父……?」

「……………」

「……まぁ、良いや。この紙袋には金が入ってる、手切れ金だよ。だから、もう二度と自分と弟には近づくな!」

「………ふ、ふん!良いだろ、そんな奴要らなかったからな。さっさと出ていけ!」

こうして私は、両親と離れる事が出来た。

「お姉ちゃん……?お兄ちゃんの方が良い?」

「……お姉ちゃんのままにしておいて」

「…お姉ちゃん!」

「な〜に?」

「……ありがとう…」

「勿論だよ!自分の妹の為だよ!」

蘭花は、お姉ちゃんがたまたま見てるの観て、私も観るようになった。

もしかしたら、最初から計画されてたのかもしれない。

「……お姉ちゃん」

「どうしたの〜?」

「こっちでイベント参加したのって、私の為……?」

「……さぁ、どうだろうね!」

「( ˘•ω•˘ )教えてよ!」

「や〜だ♡」

「いじわる!」

「お姉ちゃんは、意地悪だよ!」

そんな月日は流れて行った。

「ねぇ〜!お姉ちゃん……ここはこんな感じ?」

「そうだよ〜!よく出来てるね!」

「……えへへ、ありがとう!」

私はブラコンのお姉ちゃんに色々なメイクやコスプレ等を教わったり、勉強を教わりながらお姉ちゃんに並ぶぐらいの大人気コスプレイヤーとして楽しくお姉ちゃんと暮らしています。

「私の人生を変えてくれたのは、私のお姉ちゃんであり、私の大好きな推し様だったんです……!お姉ちゃんが居なければこんな自分は居なかった……」

【自分もそんな風になれますか?】

「そうだね!きっと……なれるよ!」

たまに、あの時推さなければ、興味を出さなければきっとここに居なかったと思えてしまう。

でも、きっとお姉ちゃんなら別の方法を見つけても、

私を助けてくれた。私は凄い幸せ者なんですね。

いつか、お姉ちゃんに恩返しする。

その為に私はここに居る。

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