異世界通販
世界各地にダンジョンが発生して20年がたちダンジョンと言う異常は法整備がなされある程度の理解が進むと日常へと変わっていった。ダンジョンから持ち帰ったアイテムはどれも有用で色々な研究機関で研究されている。特にモンスターからとれる魔石は新しいエネルギー源として注目を集めていて一部の都市では実際に試験運用がされているほどだ。そんなこともあり需要はかなり高く一攫千金だけでなく低階層でもある程度安定して稼げれるという事で今、人気の職業となっている。
ただ現役でやっていけるのは30代までで40歳をこえると引退する人が多いそうだ。というのもやはり運動能力に不安を感じることが多く今まで倒せたモンスターが倒せなくなるとかそういうので身の危険を感じてやめる人が多いそうだ。もちろん辞めないで低階層で安全に探索者を続けている人も居るそうだけどあまり多くはないみたいだ。
藤堂 真人40歳・独身。
ダンジョンに夢見て20年、ダンジョンの法整備がされたのが18年前。自衛隊が専門チームで調査しはじめたのが15年前。一般人のダンジョンに入る許可が下りたのが7年前。そして現在は上層・中層の情報も出尽くして安全も確保出来た。今こそダンジョンへ挑戦するタイミングだと会社を辞めて探索者として登録に来ている。
「ようするに初めてのダンジョンでは皆さんはレベル0の状態でモンスターを倒した時に必ずレベルが1上がります。その時にスキルを習得するのでそのスキルの内容次第ではダンジョン攻略ではなく生産系に進むのも一つの道であるという事を忘れないでください。以上で講習を終わります」
講習が終わればやることは一つ装備の準備だダンジョン省オススメの初心者セット(ローブ・皮鎧・メイス・ヘルメット(ライト付き))を購入して意気揚々とダンジョンへと突入する。
40歳になってからのダンジョン挑戦はやはり珍しくジロジロみられて目立ってしまっているが気にしても若返るわけではないので諦めよう。1階層の地図を購入してついに初モンスターと遭遇する。モンスターはスライムで油断しなけば十分倒せれるモンスターだ。何度かメイスで殴るといきなりスライムが破裂したと同時に体が熱くなるような感覚があった。これがレベルアップと言うやつだろう。早速、スキルを確認する。
「ステータス・オープン」
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レベル1 藤堂 真人 40歳
HP:120(一般人よりは高いが、探索者としては平均以下)
MP:50(ほぼ一般人並み、魔法職には向いていない)
筋力:10(成人男性の標準)
敏捷:8(やや鈍い)
耐久性:12(タフさだけは少し高め)
知力:14(分析力が高い)
運:18(探索者としてかなり高い)
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スキル
異世界通販
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いせかいつうはん????これは終わったかもしれん。・・・いや待て異世界召喚されてネットスーパーがチート扱いされる昨今で逆の現象である異世界通販なら、いきなり伝説の剣とか買えたりするのではないか。試してみる価値はあるはず。
異世界通販のスキルタブを押してみる
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通販リスト(レベル1)
木の剣(8ポイント)
革鎧(7ポイント)
回復薬・小(5ポイント)
干し肉(3ポイント)
水(1ポイント)
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「……しょぼっ!!」
ダンジョンの初心者ショップで売っている装備と大差はない。だがレベル1と言う事は成長すれば品物も増えるという事だろう。試しに水を購入してみるとチャージのマークが出て注意書きに「魔石を投入してください」とでている。流石に無料ではないようだが魔石で買えるなら荷物を減らすこともできるのでダンジョンでは役に立つかもしれない。ちなみにスライムの魔石は1ポイントで500mlの水だった。
早速、水を飲んでみると普通に美味しい高級店で出る有料のお水みたいだ。行ったことはないけど気分的にそんな気がする。あと体が軽くなった気がするので確認のためステータスを開いてみる。
「ステータス・オープン」
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レベル1 藤堂 真人 40歳
HP:120
MP:50
筋力:10
敏捷:10(+2)
耐久性:12
知力:14
運:18
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スキル
異世界通販
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異世界の水を飲んだだけで敏捷が上がってる!!これはチートスキル来たかもしれん。
スライムを3匹倒して干し肉も食べてみると筋力が(+3)されていたコレは期待できる。木の剣も革鎧もコチラの物より性能が高いと考えれるので頑張ってスライムを狩って魔石を貯める。結果として予想通り木の剣とは思えない鋭さを持っている。鎧は痛いのが嫌なので試してはいない。
気付いたら17時になっており明日の事を考えたら今日はこのくらいにしてホテルで宿泊した。
翌日
2階層への地図を買い2階層へと向かう。道中のスライムで得た魔石で干し肉を食べ水を飲んでおく。2階層からはゴブリンが出てくるが基本的に単体行動をしているらしく安全に討伐できる。ゴブリンの魔石をチャージしてみるが1ポイントだったレベルあげと魔石集めをする。宿泊代を稼いでおかないと資金が尽きるからなのだが異世界通販にあった回復薬が買取してもらえないか交渉してみようと思う。ダンジョン業界も安定してきたとはいえ回復薬は貴重で小でも1個3万円するから魔石を換金するより回復薬を売った方が利益が多そうなんだよね。
ゴブリンを10体倒したところでレベルアップしたがステータスが少し伸びた程度でスキルの変化は無かった。ゴブリンの魔石をチャージして回復薬を購入して買取センターへと持って行くと1個2万円で売れたのでコチラとしては万々歳である。
3階層からは複数の敵が出てくるそうなのでレベル5まで上げてからの方が良いらしく大人しくレベル上げにいそしんだ。結果数日の時間が必要だったが回復薬で収支はプラスだし魔石もチャージできているので良かった。レベル5に上がったことによってスキルの幅が広がった。
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スキル
異世界通販(異世界食堂)
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どんなものかスキル異世界通販の異世界食堂を開いてみる。
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異世界食堂(所持ポイント23)
スライムスムージー:(5ポイント)
オーク肉の串焼き(塩orタレ):(10ポイント)
マンドラゴラスープ:(15ポイント)
エメラルドリーフのフレッシュサラダ:(20ポイント)
オーガ肉とトロール肉のハンバーグ:(35ポイント)
サラマンドラツリーの果実パイ:(23ポイント)
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本当に食べれるものなのだろうか?比較的オークの串焼きが食べやすそうなのでこれにしてみる。
オーク肉の串焼き(塩orタレ):(10ポイント)を押してみるとタレか塩を選択するようになったのでタレを選択すると目の前に包み紙に入った串焼きが現れた。それを食べてみる。タレの味も良いしオーク肉もなかなかイケるという事が分かった。
後は肝心のステータスがどう変わったかだ
「ステータス・オープン」
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レベル5 藤堂 真人 40歳
HP:250(+80)
MP:70
筋力:42(+10)
敏捷:22
耐久性:49(+15)
知力:27
運:48
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スキル
異世界通販(異世界食堂)
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めっちゃ上がった!これハンバーグだとどうなってたのやら。
だがこのステータスなら3階層以降もソロで行けるだろうと思い挑戦してみる。3階層からはコボルトが1~3体で、でてくるらしいので慎重に進む。
多少てこずったが3階層は大きな問題なくいけることが分かった。ただ今まで1魔石1ポイントの魔石還元率だったのがついに2ポイントになったのだコボルト万歳!と言う事でまた数日コボルト狩りに専念した
途中で木の剣の耐久がきたのか折れてしまったので新しく木の剣を買い直した。
レベル8になった段階で次の階層に挑んでみた4階層はオークがでるオーク肉が欲しいところだがダンジョンのモンスターは死んだら魔石を残して消えてしまうのが悲しいところだ。
レベル10を目指してオーク狩りをしていたらハイ・オークが2匹のオークを連れて現れた。本来ならもっと下の階層で出てくるはずなのだがオーク狩りをやり過ぎたのが原因なのか分からないが遭遇してしまったものは倒すしかないレベルは9でそろそろ10に上がっても良いと思っていた所での遭遇は痛い。
ハイオークは自分は出てこないでお供のオーク2匹をぶつけてくる。取り合えずお供のオークを先に片付ける。するとレベルが上がったのが分かる。ハイ・オークを警戒しつつステータスを開く
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レベル8 藤堂 真人 40歳
HP:280(+80)
MP:79
筋力:49(+10)
敏捷:27
耐久性:55(+15)
知力:31
運:53
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スキル
異世界通販(異世界食堂・異世界武器屋)
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武器屋きた!
火力が大幅に上がることが期待できる武器屋ならこの窮地も脱することが出来そうだ。異世界武器屋を開く。
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異世界武器屋(所持ポイント:108)
木の大剣(15ポイント)
鉄の槍(25ポイント)
魔法の弓(30ポイント)
鋼の剣(40ポイント)
バトルアックス(50ポイント)
ルーンソード(100ポイント)
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俺は迷わずルーンソードを選んだ。俺が何かしていることに気づいたハイ・オークだが遅かった俺はルーンソードでハイ・オークを真っ二つにする。
切れ味が良すぎて怖いんですが。しかも軽い木の剣と変わらないくらいだ。
ちなみにハイ・オークの魔石は3ポイントになったがハイ・オークになると普通に換金したら数十万円になるそうでちょっと勿体ないことしてしまったかもしれないと後悔した。
翌日からダンジョンの攻略を再開して5階層のシルバーウルフ・6階層オーガ・7階層トロールと順調に攻略していった。レベリングもそこそこにしていたがハイ・オークの時の様な上位種が出てくることは無かった。何か条件があるのかもしれない。
8階層でミノタウロスを狩っているとレベル15になりスキルに異世界防具屋が派生したのでそこで100ポイント使ってエルヴンライトアーマーを購入した。防御面も心配なくなったので一気に10階層まで降りることにした。
10階層はボス部屋となっていて扉を押し開けると、そこには広大な石造りの闘技場のような空間が広がっていた。
中央に鎮座するのは、身の丈4メートルを超える銀色の巨人――「ミスリルゴーレム」 だった。
その体は純度の高いミスリルで構成されており、まるで動く要塞。
光を反射し、まばゆく輝くその姿は、ただのゴーレムではないことを物語っている。
流石にルーンソードでは傷つけることは出来ても倒すのは難しいので異世界武器屋の新メニュー魔導槌で戦う事にする。魔導槌は攻撃にMP消費するがかなりの打撃力を誇るのでゴーレムには有効なはずだ。オーガ肉とトロール肉のハンバーグを食べてバフも盛っているので準備万端。
ミスリルゴーレムに一直線に走る。狙いは関節それも膝を狙って動きを鈍らせるのが狙い。ゴーレムも一直線のに来る藤堂に対してカウンター狙いでコブシを大きく振りかぶっている。そのコブシが藤堂に向かって振り下ろされる直前に咄嗟に体を回転させながら右サイドステップで躱し回転の勢いを乗せて
ゴーレムの左膝を殴打する。
「よいしょー!」
ドゴォォォーーーン
魔導槌の攻撃が入り一撃で膝を破壊するゴーレムが大勢を崩しながらも藤堂へ左腕を振り回すように狙ってくるのを感じ取り大きくバックステップをして距離を取る。
「あっぶな」
そして再度魔導槌を振りかぶり助走をつけてゴーレムに迫る。
「こっちは攻撃回数に制限があるのでさっさと決着をつけさせてもらいますよ!」
ゴーレムも右腕を再度振りかぶっているが左膝を破壊され万全ではない。
藤堂は核を破壊するつもりで胴体を狙う。だがそれはゴーレムのスキルによって阻止される。「破砕の拳」ゴーレムは藤堂が助走をはじめてから逃げられない近距離で広範囲の衝撃波攻撃を行ったのだ。それをくらった藤堂は壁際まで吹き飛ばされた。
「いってぇ~。けどまだやれる!」
「破砕の拳」は連続使用できないらしくインターバルがある。藤堂は次の「破砕の拳」までに倒しきるつもりで魔導槌をかまえゴーレムに向かって走る。
ゴーレムは正拳突きのような構えで藤堂を待ち受ける藤堂はそれを見て狙いを変える。
お互いにこの瞬間だというタイミングでくりだされる攻撃。藤堂の顔面に迫る正拳突きは藤堂に当たる。
「待ってました!」
直前で弾かれた。それは藤堂の魔導槌がゴーレムの肘を叩いたのだ。ゴーレムの右腕は肘から先が砕けて闘技場の隅に飛んでいく。
ゴーレムはスグに左腕で藤堂を掴みかかろうとする。
「あぶなっ!」
咄嗟に回り込み返す刀でゴーレムの胴体を魔導次いで殴打するとゴーレムの体は大きくのけぞり体の半分近く粉砕され核が丸見えの状態になった。
「おりゃー!!」
藤堂は魔導槌を手放しルーンソードを抜き核に剣を突き立てた。
ミスリルゴーレムは消滅して魔石だけでなくミスリルインゴットもドロップした。
「よっし!おっちゃん頑張った!!」
藤堂は機嫌よくドロップ品を回収すると次の階層へと足を踏み入れた。