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数学弱者の最終定理 ~異能力バトルに数学って厄介すぎるんだが~  作者: 二毛作


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7ダブルヒロイン物は見ていてつらい

 マリアさんやユリスさんからの謎のアドバイスと、謎フラグ建築が発覚してしまった日から少したって、もう少しでゴールデンウィーク入っちゃうなぁーなんて思っていた。その間も明華にいっつも無視される可哀そうな男子阿智良湊君は健在だった。もう一路の彼女の紗季ちゃんが明華と仲良くなってそこから僕と仲良くなってくれ頼むから。


 その他にも長枝からなんでか知らんけど小テストの点数がなんでこんなにバラけることができるんだとかで指導が入ったが僕が知りたいまである。晴斗からはなんでか知らんけど明華との関係について「進捗どうですか?」「進捗だめです」みたいな会話が毎日の日課みたいになっている。というか見てるんだから分かるだろ、言わせるなよ恥ずかしい。


 最近はエンコンに合うことも、明華が戦ってたりするところも見ていないけど、もしかしたらこれはファンタジーフラグがたったと思ったけど、実は全然なかったことになったりしてないだろうか、そして今日はあの日以来初めてマリアさんのいる喫茶店に行く日、一路はデートで忙しいみたいで来れなかったが、ほんと気に入ってるんだな晴斗、一体いつから通ってたのか、高校に入ったんだしそういうところを探したくなる年頃になったのかな?


 僕は当然前回の失敗に学びはじめからアイスのカフェオレを頼んだ、晴斗は意外にもケーキセットでレモンティーを頼んでいた。うーんこれは乙女、女子力が高すぎる。運ばれてきたものを見て晴斗は目を輝かせてマリアさんに笑顔で「ありがとうございます」と伝えていた。なんてしつけのなっている子なの、親の顔を見てみたいわ!!


 まるでインスタ映えだからという理由で写真を撮る晴斗、やっぱりこれは女子校生ですね。写真を撮り終えた晴斗はどこかを見つめていた。そちらの方を見ると、カウンターのところになんかファンキーで、ストリートダンスとか、スケボーとかをやってそうな、ダボっとしたオーバーサイズの服を着た女性が座っていた。どうやらマリアさんと仲がいいのかどちらもいい雰囲気で話し合ってた。


 もしかして意外と晴斗はああいった女性が好みだったりするのかなぁ?そして僕がその女性を見ていたことに気が付いたのかにやけ顔の晴斗がこんなことを聞いてきた。


「湊、もしかして狙いを変えるつもりとかないよね?」


 若干いつもよりも圧のある言い方だったが、ここからでは顔がよく見えるわけではないし、あんなアングラ感を感じる女性に声をかけるような自身は僕にはない、おそらく僕よりも年上だろうし、ああいった明るくて自分の良さを知っているような女性は彼氏がいるっていうのが相場である。ここでいきなり連絡先を教えてくださいといったところで無視されて終わるか、不審者で通報されて補導されて学校に連絡がいって僕の学生生活が本当に終わりかねない。


「狙いを変えるっていうか、そもそも僕は明華をねらっているっていうよりか、仲良く……とも違うけどともかく明華とラブコメフラグを!みたいなことは考えてないよ、それにあの人を見ていたのは晴斗がそっちを見ていたからで、逆に晴斗が気になってたりするんじゃないの?」


「ああ、なんか知り合いに似てるなぁって思ったの服のセンスとか背丈とかね、でもここからだとわからないや」


 僕は最後の方に一路が良くするような意地悪なにやにやとした顔をしていただろうけど、そんなことに晴斗は焦る様子もなく答えた。あんな雰囲気の知り合いがいるって晴斗の交友関係がわからん、僕みたいなのとも仲良くしてくれてあんな感じの女性とも知り合ってるとは、もしかしたら相当治安の悪い中学出身で「俺のバックには○○さんがいるんだぞ」みたいなやり取りのある地域の出身なのかもしれない。僕のバックには彼女持ちの鹿野さんがいるが、うっかり背中から刺してくるかもしれないから何も安心できない。


 そんなことを考えながら見ているとマリアさんと目が合ってにこっと笑いかけてくれた。軽く会釈を返すと、カウンターに座っていた女性もこちらを見た。セミロングの水色の髪にメッシュにピンクと目がチカチカしそうな髪をしている。なぜか店のなかでもサングラスをかけているけど、実は有名人とかそういう可能性が?


 と思いきや突然サングラスを外すと、こちらをよく見るように身を乗り出して何かマリアさんと話し始めた、ちらっと晴斗の方を見るとそこまで気にしてないのか、先ほど取った写真をインスタにでも上げるのかスマホを弄っていた。


「晴斗、さっき知り合いっぽいって言ってた人がこっちみてるけど知り合いなの?」


 向こうのお姉さんも実は晴斗が知り合いに似てるなぁ、あれ?本物かな?みたいに思ってこっちを見ているのかもしれないので晴斗にそう話を振ってみた。


 するとスマホを置いてそのお姉さんの方を向いた。すると確信に変わったのか晴斗が手を挙げて笑顔を向ける。


「モカさん!!」


 席を立ちあがりながらおそらくその人の名前を呼ぶ。モカ?それは何ともおいしそうな名前ですね、もしかアしてSNSのハンドルネームとかで知り合ったのはネット上だけど、オフ会とかで出会ってしまってお互い仲良くなったとかなの?そんな危険な出会い方お父さんは許しませんよ。そういう僕もコミケとかで出会うことがあるから人のこと言えないけど。


「やっぱハルちゃんだった!!」


 本当に知り合いだったようで、お姉さんもお久しぶりじゃん!!みたいな勢いでこっちのテーブルに近づいてきた。ここは僕が空気になるしかない。友達の友達に偶然会った時って、自分はいったいどういう行動とるのが正解なんですかね?


「そう、学校の友達の阿智良湊君」


 二人で楽しくおしゃべりしていたから僕は一人でこの店がテロリストに襲われた時のシミュレーションをしていたら晴斗が僕の事を紹介した。不意に振られたもので少し驚いたけど、そのまま立ち上がって頭を会釈程度下げた。


「あー!!君がハルちゃんが言ってた子か!!」


 口元に手を持っていき驚いたような表情で僕の事を指さした。両手には髪に使われてるのと同じ色のマニキュアが施されていた。女性は少しの変化にも気づいてくれる男性の方がいいと噂に聞いたことがあるので僕は細部にも注目するようにしている、決して女体フェチだから全身を嘗め回すように見ているとかそんな不純な動機ではない。それは僕の名誉のために行っておこうと思うのだ、オーバーサイズのトレーナーなのに胸のふくらみがわかるとかおっきいんですねとかも全て細かいところに気が付くための必要な観察なのだ。


「クラスの女子を異常に追っかけてる頭のおかしなオタク男子湊君」


「は?おい晴斗」


 名誉棄損だろ!!僕の評価が絶対おかしいって!!オタクなのは間違いないけど頭のおかしいってなんだよ!!


 僕がそんな抗議の目線を送ると晴斗はケラケラ笑っていた。


「いやいや本当の事だって、明華さんずっと追っかけてるでしょ?頭がおかしいから異形の物との戦いの証とか」


 どうしよう本当のこと言ってるんだけど全部理由があってそれを話したほうがより頭おかしいって思われちゃうのこれもうなんかのバグでは?


 そうするとモカさんもモカさんで……笑ってはいるんだけどなんだろうこの品定めするような目、もしかしたらそういった妄想する人でやったぜ同士を見つけたこれでサークル作ってコミケに殴り込みだとか思ってそうな顔。


「そっかそっかそれじゃああたしとも友達だ」


 笑顔でそういうモカさん、スマホを取り出してラインのQRコードを見せてきた、絵っとこれは読み込んで友達登録しやがれクソやろうってこと?


「モカさん相変わらず早いね」


 晴斗が笑いながら言う、きっとモカさんはフットワーク軽くて誰とでもすぐ友達になれて交友関係も広い人なんだろうな、とか考えながら僕もスマホを取り出して無事友達登録完了。やったぜ!!今年に入って初めて女性の連絡先をもらった!!これにてラブコメフラグ完了!!そんなわけはない。


 というわけで現在この店にいる人たち全員と知り合いになってしまった僕なわけだが、こんなこともあるんだな、喫茶店を起点に交友関係が始まるとは思わなかった。もしかしたらモカさん起点に明華と仲良くなれたりしないだろうか、あだめだ、どうやってこの喫茶店に連れていけばいいのかわからん。


「じゃあみなっちゃんだね、なんか不思議な感じする」


「初めて呼ばれましたよそのあだ名、不思議って僕がですか?」


 愛想笑いを挟みながらそう聞いてみた、するとモカさんは表情こそ笑っているものの、目がどこか真剣な雰囲気、どことなく先ほどの品定めをされているような感じというか、ユリスさんの時に感じたような視線と言えばいいのだろうか、それにどことなく似ている気がした。


「うん、かなり不思議、面白い子はあたし好きだよ」


 おおふ、そのキラキラした笑顔まぶしすぎる、これはサングラス必須ですわ、そしてそんな笑顔で好きとか言われたら僕みたいなちょろい男子高校生は普通に勘違いしちゃいますので、できればお控えいただければと思います。


「確かに、湊は一緒にいても飽きないかもね、突拍子もなく変なことしだすし、あまりにもひどければ他人の振りすればいいし」


「僕ら知り合ってまだ1か月足らずだけど、僕そんなにおかしなことしましたかね?それとも一路からあることない事吹き込まれてない?」


 晴斗ひどくない?これ僕じゃなかったら名誉棄損で訴えてるよ、覚悟の準備をしてもらわなきゃならないくらいだよ?


「アハハハ、やっぱり面白いじゃん、これは近々デートしてもらわないといけないかもなぁ」


 僕のツッコミに笑ってくれたモカさんがそんなことを言い出した。しかも割と本気の目をしている気がする。これは僕の勘違いでそんな風に感じているのか、それともモカさんが本気なのかはわからないけど、僕としては大歓迎ですが、年上の女性のエスコートは分からないのでその大きいであろう胸をお借りすることになるかと思います、あ、ここでの胸を借りるは決して性的な意味ではないので勘違いしないように。


「デートねぇ」


 晴斗はうっすらと笑みを浮かべてそうつぶやいた。もしかすると本当にもしかするのかもしれない。阿智良湊に春訪れるのかもしれない。

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