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数学弱者の最終定理 ~異能力バトルに数学って厄介すぎるんだが~  作者: 二毛作


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21/27

20僕が一大IP阿智良湊だ

 ゴールデンウィーク開けの初日、学校に行くのは非常に気が進まないというか面倒くさいというか、とにかく行きたくないというのが全国の学生、むしろカレンダー通りに働いている社会人もそうかもしれない。かくいう僕もそのうちの一人なわけで、実際制服に袖を通したもののめんどいなこのままマリアさんのところにオギャりに行こうかなって思うほどである。


 しかも厄介なことに大抵の教科でなぜか小テストが予定されているわけだ、意味が分からない。まるで長期休暇明けのように扱うけど僕らは普段五日間連続で登校しているのに、なんで高々5日から8日ほど休んだだけで大型連休とか言われなきゃならんのだ?それならば僕らは常に大型連勤ということになる。しかも大型連勤が二日おきに来るとかいう始末。どうなってんだバグだろこんなの。責任者出せ。


 そんな世間のシステムに対してのバグに文句を言って、選挙権がないから仕方ないよなぁとかくだらないことを考えていたら学校についてしまった。畜生早すぎる。まだ10分も余裕がある。もう少し家でぐうたらしていたかったのに!!


 そのまま教室に行くと僕の席の近くで一路と晴斗が話していた。そして僕の顔を見るなり教室の入り口までドタドタと音が鳴りそうな勢いで走って寄ってきた。しかもなんか顔が怖い。どうして。


 そして一路が僕の両肩をつかみ教室の外へと押し出し、晴斗に関しては笑顔というよりにやにやした顔をしていた。なんでこいつら僕の事追い出したの?おめぇの席ねぇから!っていう古のいじめが始まる感じですか?


「お前明華となんかあったのか!??」


「ぼくもすごい気になるなぁ!!」


「は?」


 いったい何のことかと言えば帰華の事、これといって何もない。なんだったら本当のこと言ったところで絶対に信じないし馬鹿にされる未来しか見えないのでいうわけがない。というかこいつらは何をもってしてそんなことを言ってるんだ?


 あ!!そういえば晴斗!お前僕よりも先に明華の連絡先を知っていたな!?まさか明華が晴斗に何か言ったのか?もしかしてデートの時に「ふえぇ服が決まらないよぅ、晴斗どうしよ~」みたいな相談が行っていたという事なのか!?いやないわ、明華絶対そんな相談しないし、なんだったら人生がかかっているような選択迫られても、だれにもしないで一人で突っ走るタイプだわ。


「あ、お前ら何抜け駆けしてんだよ」

「そうだぞこのクラスの名物なんだからよ」

「これ映画とかだと盛り上がるところなんだぞ」

「これが無料で見れるってマジ?」

「鹿野×阿智良かな?戸上×阿智良かな?」

「阿智良総受けは解釈違いなんだけど」


 すると一路のたちの後ろからわらわらとクラスの人たちが湧いて出てきた。クラスの名物ってなんだ。確かに昼休みとか教室を出ていくときになんか知らんけど、面白イベントの発生をいるかのような感じだったけど、本当に名物になってるとは思わないじゃん。、しかも最後カップリング問題でなんか戦争勃発しそうになってない?


「なんでお前らもわらわら出てくるんだよめんどくせぇなぁ」


 一路がそんなこと言いながら僕を引っ張りながら教室に入った、その瞬間クラスの人に周りを囲まれてさっきの一路のような質問を矢継ぎ早にされる。いつの間にこんな一台コンテンツになっていたんだ、僕と明華。というかこれが明華にバレたときすごいことになりそうなんだけど、明華が来る前に何とかしないといけない気がする。


「なんかあってほしいのはこっちなんだけど、なんもないのが現実なの、これ現実なの」


 あれ、なんか自分で言ってて自分でダメージ受けてきたんだけど、なんでだろう。いや、本当は何かあったんだけど、それで何があったかといわれると基本能力の事なので、この人たちが期待しているような何かについては何もないという事。


 あれ?ラブコメフラグは一向に進まないでファンタジーフラグしか進まないじゃん。なんで?学園、異能バトル、ときたらもう恋愛は当然ついてくるに決まってるだろ。不定積分についてくる積分定数並みに引っ付いてきて然るべきだろうが。このままだと減点されますよ?先生によってはバツにされますよ?


 それも相まってなんかよりダメージを受けた気がする。僕はラブコメの主人公になりたいの!!痛いのやなの!!男の子なの!!痛くても泣けないの!!


「なんかぁ、話しかけてもぉ……無視とかぁ……中指立てられたりぃ、舌打ちとかでぇ、すぐどっか行くからぁ……」


 なんかそこまで話すと客観的にお前絶対もう無理だよって悟ってしまったというか、こう口にすることで自覚してしまった。もうメンタルやられて僕はその場で膝を抱えて膝に顔をうずめて動けなくなってしまった。


「おい阿智良?だ、大丈夫か?」

「ほらぁ、こっから巻き返すことも全然あり得るだろ?」

「ほら男子ぃ、阿智良君ないてるじゃーん」

「明華さんにも確認してみないと」

「やっぱり阿智良君は右だと思う」


 なんて情けない、クラスのみんなの前で泣き出す高校二年生男子阿智良湊。これはたぶん卒業まで忘れないし何なら黒歴史として刻まれるに違いない。別に泣いてないけど、もう否定する元気もない。


「あの、邪魔なんだけど」


 その時透き通るアルトボイス。できればこのタイミングで来てほしくなかったけど、よく考えればもう朝のショートホームルームが始まりそうな時間なのだから、明華が登校してくるのは至極当然の事だった。


 クラスの皆が一瞬凍ったのが分かった。僕は顔を上げると、クラスのみんなが見つめる先には明華が立っていて、この事態を何事かといったような顔で見ていた。もちろんありありと表情には出していないけど、少しの驚きと若干引いているように見える。


 そして僕の事を見つけると、「あぁ、お前が原因か」みたいな呆れた感じが一気に出てきた顔になった。そしておそらくその表情をクラスの皆は負の感情ととらえたのだろう、いや負の感情で間違いないんだけど、僕が思うそれ以上にマイナスの感じたのか、あわてて明華に弁明を開始する。


「ちがうんだ、俺たちがちょっと意地悪をしてしまってな?」

「なんというか、ほらね?好きな人いるの?みたいなのを聞きすぎたというか」

「でも明華さん阿智良君は絶対にいい人だよあたしが保証する」

「そうよ!阿智良君はいついかなる時も受け止めてくれるのよ!」

「え?それって阿智良総受けってこと?解釈違いなんだけど」


「いや、何言って……」


 明華にも詰め寄る勢いで明華も珍しく慌てていた。若干迷惑そうな顔もしているがそれよりも予想外の事に驚いているといった感じだ。そしてさっきから僕で同人誌的な妄想をしようとしている人いない?いるよね?思想の自由が保障されているとはいえそういう時は公式および本人のいないところでするべきだと思うんだ。中には本人をブロックするくらいには徹底している人もいるんだぞ。


「あまり阿智良君の事悪く思わないでほしいの!」

「俺たちはただこの一大コンテンツ、じゃなかった阿智良がどうなのか気になってるだけなんだ」

「そうだ!こいつはサンタクロース信じるくらい純粋なだけで悪い奴じゃないんだ」


 だからサンタクロース何なんだよ、ほんと一路の罪でかすぎだろ。僕がもうクラス中でサンタクロースを信じてるかわいそうな奴になってるじゃねぇかよ!!今ので確定したじゃねぇかよ!!


「私には何が何だかわからないんだけど」


 クラスの人と少し距離をとる明華、あまりぐいぐい来ると断るのが苦手なのか、僕の時みたいにきっぱりと断ることはしない。それに僕と話す時よりもとげが少ない気がする。あれまさか僕が割と本気で嫌われているとかそんなことないよな、あまりにもしつこすぎてうんざりして棘が生えまくったとかそんなことないよな。いやというよりもクラスの圧に圧倒されているのかもしれない。きっとそうだ。


 すると一人の女子生徒が少しためらうようにして衝撃の言葉を発する。


「えっとね、もう阿智良君の猛アタックと明華さんの一連の流れは結構このクラスでは覇権コンテンツで、みんな興味があるの。それでゴールデンウィーク中に阿値良君と明華さんが一緒にいるのを見たっていう人がいるの」


「は?」

「ん???」


 僕と明華が同時に声を出した。いや確かに僕たちはゴールデンウィーク中にデートと呼んでいいのかわからないデートをしたけどあれをクラスの誰かに見られたと?というかそれだけでクラスがここまで沸くのは何なんだ、本当にこのクラスの一大コンテンツになってるな。


 そしてその言葉に明華が僕を見たけど、僕は当然登校してからずっとこのままなのでもちろん伝えるわけがないので目で僕が言うわけないだろと伝えたけど、それをきちんと受け取ったのかはわからないけど、明華はため息をついた。


「誰がそんな変なことを……大体なんで私がこいつと休みにまで会うんだよ」


 その言葉に心臓に矢を受けたような演技をするとクラスのやつが衛生兵を呼んでる。一路に至っては「もうしゃべるな血が!!」とか変な芝居が始まっている。いや確かに能力の事とかマリアさんのアシストがなければ絶対に会ってはくれなかったのは容易に想像が付く。


 すると、クラスの内の一人がとんでもない言葉を口にした。


「なんか、ごみ置き場のようなところで明華となんかボロボロの阿智良を見たっていうから」


「ッ!!」

「ッ!!」


 み、見られてる!!確実にみられてる!!しかもそれはおそらくエンコンとのテンプレ式のテストをした後だったのだろう、それを偶然見られたと?なんでそれで僕らだってわかるんだよ逆にそれ怖いよ、だれだよそいつ、絶対人違いだと思ったのに確実に僕らを見てるじゃん。


「ゴミ捨て場でボロボロの僕って明華にぼっこぼこにされてるの?カツアゲ?」


 僕はその時の見たという光景を利用して一番ありえそうな自虐ギャグを繰り出す。そうすればその二人は見間違いか勘違いだったという事にできるかもしれない。ただ、そう言った後に、フォローのつもりだし何なら仮定の話なのに明華に少しにらまれた。


 すると予想外にも明華が僕に近づいてきた、ヤンキーがよくやるような格好でしゃがみ僕と顔を合わせる。


「おまえ、私がカツアゲするような人間じゃないって知ってるだろ」


 多分これカツアゲするほどお金に困ってないって言いたいんだろうけど、この言い方だとなんか別の解釈できそうじゃない?なんか明華の性格とかよく知ってるみたいなさ、ほら周りを見なよ推しのカップリングを遠目から見守るオタクみたいな顔してる人がチラホラいるじゃん。


 もうどうにでもなれということで、僕は明華の両肩をつかんでいってやった。


「ちょっと昼休み時間ありますかね?」


 どちらにしろこれについては話さないといけないし、なんだったらこれからの事についても考えなくてはいけないのは変わりないので昼休みを利用してこれをどうにか解決してしまおう。まさかエンコンとの戦闘後にその瞬間をばっちり見られるなんて予想していなかったよ。


 多分周りの女子がなんか告白するとか一大決心して何か僕がアクションを起こすみたいな勘違いしているのか若干の黄色声と息を飲むような雰囲気が充満しそうなところだった。ただ明華は顔を一切変えることなく即答した。


「え、やだ」


 明華はそういってすたすた自分の席に着いた。周りの人もちょっと期待していたのかポカーンとした感じの人もいた。そして一路を含めた男子数名が僕のところにきて、「昼一緒に食うか」とか「購買でプリンでも買ってやるよ」なんて慰めの言葉をもらう。


 そのまま立ち上がるとなぜか担任の長枝にクラス名簿で頭を軽くたたかれた。なんで僕だけ。


「何を通路のど真ん中で座り込んでる。さっさと席につけ」


 うーんごもっともすぎて何も言えない。


――――


 その後昼休みに明華を追いかける気も起きなかったのだが、なぜか珍しくクラスの女子が明華を誘ってどこかに行っていた。え?いつも一人でどこかで昼ご飯を食べてどこかで一人で過ごす明華が女子からの誘いに乗った?


 あいや、あの顔はもう逃げられないからあきらめたって感じの顔だ。マリアさんとのやり取りとかで何度か見たことがある。これで明華にも心を許せる同性の友達とかできればいいんだけど、どうも明華は一匹オオカミのような立ち位置なのは連休明けも変わっていない。


 ちなみに僕はなぜかクラスの大半の男子から慰めの言葉と謝罪の意味なのかいろんなお菓子をもらった。ありがたくいただくことにしたけど、こんなもので僕の心の傷はいえない。なんて思ったけど別にそこまで傷ついているわけもない。前回のデートで僕は少し明華との距離は縮めることができると思っているから、それがまだ僕の心の安定を保っていてくれている。


 すると、スマホが通知音を立てたので確認すると通知の画面で明華と表示されていて、その内容が放課後教室に残ってろとの連絡だった。


 なんでだろうこれ放課後ツラ貸せよみたいな古のヤンキーが使うカツアゲとかタイマンの合図ってことになりませんか?文字だけだとどういうニュアンスで言っているのかわかりません。これが可愛らしい手紙とかだと告白かな?ってなるのに明華だと果たし状にしか感じないのはどうしてだろう。


「湊どうかした?」


 晴斗が僕の様子に気が付いて声をかけてきたが、首を振るだけでこたえた、ここで明華の話題を出すのはより面倒なことになる。というかそういえばこいつらに明華と連絡先を交換したことすら伝えてないから、まずはそこから伝えないといけないのか。だとしてどのタイミングで交換したっていえばいいんだ。どちらにしろ二人であったことになるし、そうかマリアさんのところで偶然出会ったってことにすればいいか。僕も気に入って何度か言ってるって話はしてあるしそれくらいなら大丈夫だろう。


 いっそのこと一路たちにもあのエンコンの事話してしまいたいし、見せびらかして優越感に浸りたいところだけど、なんか巻き込んでしまって僕が演算容量を使い果たしたらこの二人が一瞬で終わってしまうのでそんな危険なことはやはりできない。


「小テストが死んでるようなので居残りだそうです」


「あぁ、そっかまぁ元気出せよ」


 そんな適当なことを言ったけど朝のダメージのせいだろうな見たいな憐みの視線をクラス中から感じた。今日だけはクラスが僕の味方になってくれるようだ。


 僕ってそんなかわいそうに思ってくれる人が周りにいたなんて幸せだなぁ、その分明華の評判が落ちないことを願う。

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