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数学弱者の最終定理 ~異能力バトルに数学って厄介すぎるんだが~  作者: 二毛作


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12/27

12片鱗は成長過程のヒント

 氷の壁が崩れた途端SP達は一斉に銃を打ってくる。あれ格好つけたつもりだけどこれやばくね?とりあえず僕にできることと言えば爆破しかないので、周りを囲うように連鎖的に爆発を引き起こす。ちょっと調子に乗りすぎたのかふらついてしまうがその程度だ。


 対して明華は新しく式を浮かべていた。丁度僕と明華を覆うドーム状に展開されていた。赤く光るとその式はとけ、代わりに半球の淡く赤色に光るドームが現れた。そこに銃弾が当たると、そこから先に進めないかのようにすぐにその場で落ちてしまった。


 そのまま僕の爆破が収まると、明華の能力を解除する。僕よりも段違いで素早く動いてすぐにSPにもとに駆け寄ってった。僕は明華と反対方向に走り出して。そのまま爆破を繰り返すだけ。これ完全に僕ただの爆弾魔になってるな。これしか技がないってちょっとどうなんだ、これは早急に解決すべき問題なのでは?


 そんなこと言われても現状他に何かできるかと言われても何も思い浮かばないのでやはり爆破を続けるしかない。当初SPたちは僕を狙うよりも明華を何とかしないといけないと判断したのか、僕の事なんてまるで気にしてないかのように、誰一人として襲ってくることは無かったのだが、ここにきて調子に乗って爆破を繰り返しているのが僕だと気が付いた一部のSPが僕の方を目掛けて銃を撃ってきた。


 銃弾をかわすなんて人間離れなことはできないけど、左右にフェイントを入れて銃弾を交わすように動く、その間にも警棒を構えたSPがこちらに直線的に距離を詰めてくる。こうも距離を詰められると爆破なんてしたら僕まで巻き込まれちゃうじゃん。


 警棒が振り降ろされたが、その軌道を予測すのはたやすかった。これも目が慣れたという事なのだろうか、そのまま振り下ろしてきた手を蹴りつけてから、顔面に膝蹴りを叩き込む。落ちた警棒を手に取って、今膝蹴りを食らわせた後ろにいるSPに向けて槍投げよろしく投げる。


 まぁ、そんな素人の投擲なんて簡単に警棒ではじき落されてしまったけどそれでいい、そのまま警棒に仕組んだ式を発動させれば、簡単に小さな爆発が起きてひるませるくらいのことはできる。


すると、ひるんだSPに向かって今度はライダーキックよろしくな感じで飛び蹴りをかまそうとしたときに「=Φ」の四季が現れて、そこにいたはずのSPたちが消えてしまった。


「あれ?」


 きれいに着地できたからよかったものの、いきなり消えるとびっくりする。たまにサッカーで空振りするとけがを選手がいるけどつまりは危うく怪我するところだったってこと。


 すると明華がこっちに近づいてきながら悪態をついた。


「チッ!モカのやつ、面倒なの残して逃げやがった」


「え、逃げれるの!?」


 知らんかった、この空間に入ったら最後殺すか殺されるかの戦いでエンコンとの決着作けて逃げられないものだと思ってた。それなら僕らも逃げればいいのでは?


「じゃあ僕らも逃げる?」


 そういうと明華は軽く肩を回して指の骨を鳴らした。あ、これはやる気満々って感じですね?


「金になるから、あいつは殺す」


 そういって半透明のエンコンに受かっていく明華、右手にはふったび赤い式「=0」と書かれたものが浮かび上がっていた。僕はとりあえず何も案が得ずにエンコンに向かって爆発の式を発動させる。


 合計三回、爆発が来たあと、僕は今までよりも強い脱力感に襲われて膝が笑ってしまい、その場で片膝をついてしまった。そのあと、全力疾走でもしたのかと思うような息苦しさを感じ肩で息をする。まずい頭痛もまたしてきた気がする。


 それでも、走っていくことはできずともクールダウン中のようなペースでエンコンと明華に寄っていく。その間に息が整ってくれればいいのだけど、どうもこの疲労感、ゲームとかによくあるMP切れとかいうやつなんじゃないだろうか。ファンタジーにはお決まりのように存在しているんだし、それくらいの代償はあるよな。等価交換だよな。何が等価なのか分からないけど。


 明華がエンコンの背中あたりにジャンプし体を捻って背中に右手が触れた。一瞬だけ赤く発光するとそのエンコンが半透明から徐々に真っ黒な姿に変わった。その全貌が明らかになると、どうやら見た目はカメレオンに近いだろう。2メートル越えのカメレオンってそれはモンスターをハントするゲーム出てくるようなキャラですね、エンコンを著作権侵害で訴えたほうがいいですよカ〇コンさん。


 そのままエンコンの向こうに着地した明華はそのエンコンのターゲットとなったのか顔に当たる部分が明華の方を向いたのが分かった。ということで再び爆発を、と思い式を作ったはずなのだが、その式が青く光ることは無く黄色く光ってその式に横線が光るとその式が砕け散って消えてしまった。


 その後激しい頭痛と吐き気が襲ってきた。立っているのもやっとといった感じでついにその場で手をついて止まってしまった。明華は依然として人間とは思えないスピードで、攻撃を繰り出している。尻尾を切り離したり、先ほどのようなナイフを投げては、相手を怯ませていた。


 あれこれ僕いらないんじゃね?マジで明華さん強い「お前に何ができる」って言いたくなる気持ちもわかります。なのでこれはもう死ぬ気で僕頑張るしかないじゃんか。


 どうすれば、爆発の式ってなんで作れたんだっけ。なんで明華はあんなにいろいろできるんだろう。多分、まだ僕の能力の表面しか理解してないんだ。モカさんが「集合」だったように明華はおそらく「0」なんだと思う。だとすると僕は?さっきの爆発の式あれは確か……。


「f(t)=|tan(x)|」


 そうだ、まず初めに式を作るところからだった。そしてその変数の値を自由に設定できていた。それによって脱力感や疲労感が増減していた。となれば?どういうことですか?


 だめだ、この疲労感で頭がしっかり働かない、いつも働いていないと思うけどそれ以上に働かない、頼む長枝、これはきっと数学なんだ、何かヒントをくれよ。問題にしてくれれば、あとはいつもの感覚で解けるかもしれないのに、頭を使うとなるとオーバーヒートしそうになる。


 感覚に頼る。いつもの問題の解き方に頼るなら。感覚としては「式」僕はなんらかの式を立てることでその能力を使えるとしたら?じゃあなんだ?どうしたらあのエンコンにダメージを与えられる?何をしたら明華の手助けになる?


 動きを封じる?どうやって?その場に縛り付ける?どうやって?


 こうして対策を考えながら、息を整えている間も明華は一人で戦っている。さすがに大きさが物を言うのか明華が攻撃をノーダメージで受け流すのも難しくなってきたいる。それにきっとさっきの疲れがMP消費によるものなら、明華にだって起きてもおかしくないのだ、早く加勢しにいかないと。


 なんもアイディアがないならもう一度爆発を起こして注意をこっちに向けるだけでもいい。もう一度さっきと同じ式を立ててみる。今度は青く発光して、今までのよりも小さな爆発が起きた。


「ウッゲェ……」


 だというのに頭痛と吐き気は先ほどよりも激しく、今回は吐き気で収まらず実際に胃液みたいなのものを吐き出してしまった。苦みが口の中いっぱいに広がる。頭が膨張と収縮を繰り返しているんじゃないかと思うくらいにズキズキと痛む。


「もういい!!それ以上使うな!!」


 そんな状態の僕を見た明華がそんな気を使った言葉を掛けてくれる。その言葉に甘えてしまいたいくらいだが、僕の中の欲望が、願望がそれを許さない。人間の欲って怖いねぇ。


 フラッときて手で体重を支えることもままならずそのまま地面に顔から倒れこんでしまった。息もかなり上がっている。相当やばい病気の人みたいになってるじゃんか、だっさ。


 明華も少し息が上がってきているように見える。そういえばここにはどうやってたどり着いたんだろうか、明華も他のエンコンと戦っていたとしたら僕以上に消耗して疲れていても不思議ではない。


 ラブコメの主人公になるのに、何女の子に守られてんだ。血を吐くまではかすり傷だと思え、そうでもしないと2次元の再現なんてできるわけないだろ!!


 何かが頭ではじけた気がした。もしかしたらあまりにもひどい頭痛で血管が切れたのかもしれないけど、きっとこの感覚は信じていい感覚だと思う。


「g(x) = cos(x) 」


 その式を立てた後すぐさま床をたたいた。その式が溶け込むと急速にエンコンがこっちに移動する。そのまま続けて次の式をすぐに立てる。爆発の式と今度は恐らく単純に僕の殴打の威力を引き上げてくれる式なる。


 寸前で今までよりも大きな爆発。頭部で爆発を起こすとエンコンはひるんだ様子だった。明華が今までさんざんダメージを与えてくれたおかげでおそらく僕はこの攻撃だけでいいとこどりをする形になると思う。踏ん張りを聞かせて立ち上がり、右こぶしをぶつけるために構えをとる。


「これで終わってくれよ!!」


 そう叫びながら僕は右手で思いっきりエンコンを殴りつけた。そのあと、そのエンコンの体が波打つように一度だけ跳ねる。エンコンからは聞いたこともないような叫び声に似た声が上がった。耳が痛くなるほどの高音と体に響く重低音が合わさった奇妙な声だった。


 パリパリと硬い膜、薄いガラスのようなものを幾層も突き破る感覚の後、きちんと体に拳をあてられた感覚があった。体から力が抜けていく、あぁ、きちんとこれで能力が発動したってことが分かった。


 青い光が一瞬だけ観測されると、エンコンが綺麗に真っ二つに切れた。そのあとは少しの揺れを伴って地面に倒れると、切断面から徐々に光芒となって消えていく。


「うっはは、やってやったよ……」


 そこが僕の限界だった。そのまま地面にうつ伏せで倒れこみ、そのまま瞼が抗えないほど重くなり。僕はそこで意識を失ったようだ。

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