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しらかわよふね  作者: 諧謔亭ごちそうたべたべ
7/7

自作地蔵菩薩イキがりメスガキ部

「後輩くんや。、というものがあるらしい。君は知らないだろうけど」


先輩はお得意の『知らないだろうけど』を発した。


「先日みたいなのはごめんです」


そうして僕はいつものように復唱して返は返さない。

昨日の珍妙サークル二連トツに心底疲れたからだ。

方やおかしい女、方やおかしい男ども、連続の何かズレているサークル巡りはもう懲り懲りであった。

もっとこう普通なところがいい。


「今回は普通だから、絶対。頼むよ後輩くん。や。もうアポ取っちゃってるんだよマジ頼む」


言葉とは裏腹に全くもって頼み込む気概のない先輩は、今日も今日とていつものカフェで糖分を貪っている。


「普通って、先輩の普通がよくわからないんですけど」


「だってさ~、ありきたりはツマンナイじゃない?でも明らかにおかしいところは手が出にくい」


「どっちも明らかにおかしかったんですが」


「名前は普通だっただろ!名前は!野鳥研究会に四季候委員ってどう考えても普通じゃん?でも何かありきたりでは無いな~って感じじゃない」


「まあそうですけど...」


「なぜか二つあるバードウォッチングサークルに、字面だけは普通だけど活動内容はわからないサークル。うぅ~ん調度珍妙、OK」


なにがOKなのかはわからないが、まあ言っていることは納得できた。

先輩なりにも一応あからさまに変なものは避けていたらしい。

だとしてももっと普通なところにしてもらいたいわけだが。


「で、先輩、今日は」


「今日行こうと思ってるのは、自作地蔵菩薩イキがりメスガキ部です」


「やっぱお前馬鹿だろ」


「なんだァ?てめェ……?先輩に向かって馬鹿だってえ?聞き捨てならねえな!何が気に入らねえ!三十字以内で述べよ」


「さっき自分が言ったこと覚えてます?今回はもう名前すら普通じゃねえだろ。なんだよ自作地蔵菩薩イキがりメスガキ部って。日常生活で聞くまともな単語皆無だろ」


「三十字以上は聞き取れませ~ん。バリア~バリア~」


「このクソガキ...」


はあと先輩はため息を付き、ヒラヒラと両手を降った。


「なんて、流石に私もアカンな~と思ってはいたから大丈夫。ここはナシだ。アポだって取っていないサ。実はね後輩くん。今日はいくつか候補がある中で君に選んでもらおうと思ってね。」


アポは取っていなかったらしい。先輩も一応感性までは阿呆に侵されてはいなかったらしい。


「候補をいくつか上げるから、選んでほしい」


そう言って先輩メモ用紙を取り出した。


そこには先日回ったサークルの名前もあった。




野鳥研究会


四季候委員


自作地蔵菩薩イキがりメスガキ部


独独楽で


炒飯愛好会


雨宿りサークル露


良いではない会


姫サー


OOO


巨人ファンズ


微生物言語研究会


etc




地蔵菩薩以外なら正直何でもいいと思ったが...

うん...。

阿呆みたいな名前の候補から僕は一つをしょうがなく指さした



        ー 姫サー ー

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