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嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います  作者: ゆさま


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8/20

完全な擬態

 街に戻ると、重い足取りで冒険者ギルドに向かった。いくら気分が落ち込んでいても、報告をきちんとするのはプロとして当然だからな。


 受付嬢にクエスト完了報告をして、獲得したブラックウルフの毛皮を提出した。受付嬢はそれを持って、奥に引っ込んでいったのでその場で待つ。


 しばらくすると、受付嬢が金を準備して戻ってきた。クエスト達成報酬と、大量のブラックウルフの毛皮の代金を合わせると、思っていたよりいい金額になった。


「毛皮の処理が見事だと、素材査定の者が驚いていましたよ。さすがですね」


 受付嬢に褒められてしまったが、俺はほとんど何もしていない。


 クエストを発注した村で遭遇したのは、ブラックウルフ30匹もの大群だった。俺一人だったら、間違いなく逃げ帰っていた。


 しかしベネットが、ブラックウルフをあっさりと全滅させてくれた。菌糸による攻撃範囲は広く、ブラックウルフたちは近寄ることさえできずにバタバタ倒れていったのだ。


 俺がやったことといえば、ベネットに素材部位は食べ残すように指示しただけなんだよな。


 それだけで、不要な部分を完全に除去し、必要な部分に全く傷をつけずに正確に残してくれた。かわいい上に良くできた相棒だ。


 明日はこの金を使って、ベネットに服を買ってやるか。





 夕食を終え宿の部屋に戻ると、疲れがどっと押し寄せてきたので、バタンとベッドに倒れ込んだ。


 クエストはベネットのおかげで大成功だったが、あの女どものせいで気分は最悪だ。こんなときは、何も考えたくないからさっさと寝るに限る。


「今日は疲れたから、もう寝るよ。その前に俺の血吸うか?」


 ベネットは寝転んでいる俺の横に腰かけ「うん」と、かわいらしく頷くと、俺に覆いかぶさり唇を合わせた。


ベネットは俺の口の中に舌を滑り込ませて、丹念に味わうように絡ませている。


 おい! 何してんだよ?


 俺が心の中で叫ぶと、ベネットは念話で楽しげに答える。


「何って、ウィルの血を吸ってるんだよ」


 柔らかい唇に温かい吐息。甘く蕩けるような感触に身体の力が抜けて、ベネットのなすがままになっていた。しばらくして、ベネットは満足したのかゆっくりと口を離した。


「ウィル、すごく美味しかったよ」


「お、おう」


 俺は動揺を悟られないように、冷静を装って返事をした。ベネットは嬉しそうな顔で俺の目を見つめたまま、俺の下腹部に手を持っていった。


「ねぇ、ウィルのここ、こんなに硬くなってるけど、このままでいいの?」


 ベネットは右手で服の上から俺を撫で、左腕は俺の首に回している。体温と柔らかい感触が俺の脳を揺さぶり、声も出せないでいた。


 落ち着け俺! 見た目は美女でも、こいつはモンスターなんだぞ。


 湧き上がる欲望に必死で抗っていると、追い打ちをかけるようにベネットは甘く囁く。


「私ね、人間の女に完全に擬態できていると思うんだ」


「へぇ、それは……凄いな……」


 ベネットが起き上がり着ている服を緩めると、ポロリと二つの膨らみがこぼれた。


「私の体がきちんと人間に擬態できているか、しっかりと確認してくれない?」


 ベネットは、自らの両手で豊かな膨らみを持ち上げて揺らし、妖しく微笑む。


「ベネットぉぉぉ!!」


 頭の中で何かがパチンと弾けた俺は、ベネットを押し倒して抱きしめた。モンスターとか擬態とか、もうそんなの関係なかった。俺は腕の中にいる美女に、ただ夢中になってしまった。




 * * *




 最高だった。過去に相手をしてくれた、娼館のプロフェッショナルお姉さんの誰よりも良かった。


 俺は汗だくになって息を上げている。アラフォーおじさんだというのに5回もしてしまうとは……。こりゃ、明日は立ち上がれないかもしれんな。


 情欲を発散して「くたっ」となった俺のモノを、ベネットは優しく手のひらで包むと、嬉しそうに微笑む。


「あのね、ウィルのここから出てくる体液って血よりも美味しい。生命力みたいなのが上乗せされてるのかな? これからは毎日頂戴ね」


 正直毎日はキツイと思ったが、ベネットは可愛らしく微笑んで俺の目を見ているので、無理だとは言えなかった。


「あぁ……。善処する」


「嬉しいなぁ。ウィル、大好きだよ!」


 思わず、俺も好きだ! とか言いそうになってしまった。もう俺は駄目かもしれん……。胸の高鳴りを感じながら立ち上がって、シャワーで火照った身体を冷ましてきた。


 今度こそ寝るぞ。俺がベッドで横になると、ベネットも一緒に横になった。


「お前、睡眠は不要って言ってなかったっけ?」


「うん、だけどこうしていたいんだ。いいでしょ?」


 別に断る理由もない。目を閉じると、ベネットが俺を抱き寄せた。


 花のような香りに、胸の柔らかい感触、触れ合う肌から伝わる温もり、耳元で聞こえる息遣い。おまけに鼓動まで聞こえる。


 擬態の精度高すぎるだろ? 


 戸惑う気持ちは、心地よさに少しづつ上書きされていき、緩やかに眠りに落ちていくのだった。


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