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9話 りょうのステータス

――パンッ!


「え? レッドスライムが一発で……。レベル50でもそれは不可能なのに。それにあれって……」

『レベル34に上がりました。レアドロップを確認。《スライムハート》の行使によってよってスライムを従属させること、或いはスライムへのダメージが通常の2倍に変更可能です』

「えっと、じゃあ両方で」

『《はぐれもの》を発動。アイテムの仕様に関するルールを無視。効果を2つ取得しました。ステータスに新たな項目を追加しました』

「レアドロップはそのモンスターを倒しまくったご褒美みたいな感じなんだな。いろいろ試してみたいけど、それよりも先にあいつを倒さないと……。でもここから動くとりょうさんが危ないか?」

「わ、私は魔石で対処できるから大丈夫よ。それにしても、まさか私が足手まとい扱いだなんて……。あなた、雑魚じゃなかったの? 何か様子がおかしいとは思っていたけど、いい意味で裏切られるなんて思わなかったわ。これなら魔石の、お金の節約もできるかもしれないわね」

「節約はいいですけど……。あの、俺自分で雑魚って言った覚えない、です!!」


 りょうさんの言葉を一部否定しながら俺はいくら走っても疲れない身体を生かして全力疾走。

 ジャンクゴーレムが次の攻撃を繰り出す前に、間合いを詰めてその硬そうな身体を殴った。


「意外と柔いけど……今ので、死んでない?」

「ジャンクゴーレムはコアを攻撃しないと死なないわ! 目の辺りを狙って!」

「了か――」


 ――バンッッッ!!


 りょうさんの助言を聞き入れて目を狙おうと拳を振り上げる。

 しかし、ジャンクゴーレムはイタチの最後っ屁化の如く、自爆。


 破片をりょうさんのもとまで吹っ飛ばした。


「魔石を行使するわ! ……これは私とあなたのお給料を犠牲にした一撃よ! 火炎の魔石を行使……」

「ちょっ! それどういうこと!? ま、まって……あっとりょうさんを強化――」

『《はぐれもの》を発動。瓦谷りょうに特別ステータスを付与。経験値の取得負荷発生の可能性を考慮して、レベルアップはパートナーの高下彰に付随。高下彰34レベルから算出、付随レベルを15レベル差の19に設定。パートナーの反逆の可能性を考慮しているため、この差は埋まらない。アナウンスの共有、ステータス画面の共有が可能になりました。……。やった!ぼいんばいん美人お嬢様だっ! ブサイクの相手をしてあげているんだもん、これくらいはしてもらわないとよね! やっちゃえ、りょう!』

「『ヘルファイア』!!」


 やっちゃえ、じゃないって!!

 魔石を使わせないためにスキル使ったのに、むしろ勢い乗っちゃったじゃん!

 しかもこの黒くて、竜みたいな……黒●波っぽい炎威力高すぎて、俺のとこまで届いてるし!

 俺はそれを餌に強くはなれないよ!!


「あ、あぶなぁ……」

『ふふ、ナイスよ! りょう!』

「これが噂のアナウンス……。まさか、この私がステータスを取得できるなんて……。上に報告……は、やめておいた方がいいわね。これがバレたらきっといいように使われちゃうもの。彰も、私も。……それにしても凄すぎですわ、高下彰という《はぐれもの》は」

「その、その褒められ方だと、貶しともとれるんですけど……」

「毛無し? ああ、今ので髪の毛がほとんど焼けちゃいましたのね」

「『けなし』はそっちじゃないですから! って、え? ……あっ!」


 ない。

 俺の毛が……。

 これリアル焼け野原だ……。


『ぷっ! あはははははははっ!! 似合わないわね!!』

「こ、こらそんなに笑っちゃ……。ふふ、おほほほほほほほっ!」

「あ、はは……。あなたたちの相性が良さそうなのが不幸中の幸いだよ」



「それで、今のでどれくらい俺の給料は減ったのかな? ん?」

「あら? なんでか敬語がなくなってるような……。ま、まあこれだけの継余sあなら大した額ではないですのよ。たったの3万円ですもの」

「3・万・円っ!! チキンク●スプ3000個くらい食べれる額ですよそれ!!」


 威力からしてかなり高額の代物だとは思ったけど……まさかりょうさんこんなものばんばん使うつもりだったのかな?


「いや、それにしたって別にそれは失くなってしまってちゃんちゃんで終わりじゃないの? なんで使うだけでお金が発生するのさ? なんでさなんでさ、ななななんでさ!」

「強制的に補充されるからしょうがないのよ。成績が上がってS級とかになればその辺りも自由にできるんだけど……。ほら、私ってF級でしょ? いろいろ縛りがありますの。というかもう敬語はなくなりましたのね」

「うん。もういいや、敬語。アナウンスも相手にしないといけないのにそれは疲れるから。にしてF級……。成績でそんなクラスが与えられるのか……。しかも権力差ひど……」

「美杉はA級でかなり自由が利くから私にあなた、彰を押し付けられたってわけ。ちなみに社員ランクはサポーターとプレイヤーで異なっているから私が高ランクになってもその席を奪うわけじゃないから安心してくださいまし! またしばらく貧乏生活だと思っけど、これならいいご飯食べられそうね! ま、それでも私の家はあれだから……彰、いいえ。彰、さん。不束者ですがどうかよろしくお願いしますわ。うふ」


利用価値を見出して態度が変わるとか現金な人が過ぎない? まぁそれを嬉しく思ってる童貞の俺もいるけど……。


「というか、口調的にもっとお金持ちの人だと思っていたけど……」

「それは……。ま、まぁいいじゃない! そんな話よりテンションこのまま一気にボスまで行きましょう! これなら本当に美杉越えありますわよ!」

「……。よっしゃ! いっちょやったりますか! その前にステータスの確認だけどね」


『ステータス』


―――――

名前:高下彰(たかしたあきら)

基本レベル:34

攻撃力:332

防御力:219

魔法威力:224

ユニークスキル:はぐれもの

通常スキル:絶対防御(物理)、破壊の化身(硬物質モンスター限定)、マップ、暗視、地形ダメージ減少

魔法:【基本初級】:ファイア(火)、バブル(水)、ウィンド(風)

反映グレード:10

反映カテゴリー:全

従属可能種族:スライム

使用アイテム:スライムハート

得意モンスター:スライム(2倍)

名前:瓦谷かわらやりょう

基本レベル:19

攻撃力:570

防御力:190

魔法威力:570

ユニークスキル:S

通常スキル:マップ、暗視、地形ダメージ減少

魔法:【基本初級】:ファイア(火)、バブル(水)、ウィンド(風)

反映グレード:1

反映カテゴリー:顔

―――――


「私の方が攻撃力高いですわ!! うふふふふ。ついてきなさい、彰!! あなたに肉壁役を差し上げます!!」

「……。俺、スキルでバフ掛かりまくったステータスのはずなのに……。なんにもしてなかったら本当に雑魚だったんだ……。……。クールタイム終わったらバランスぶっ壊れるようなスキル取得してやるからな!」


 ――パン! パン! パン!


「彰! 早くきなさい! さっさとこないと私が全部倒しますわよ! おほほほほ! さっきの女のせいでスライムがほとんど隠れていないけど……その分ドロップ2個のモンスターがばんばん出きますわ! 魔石ざっくざくですわよぉお!」

「俺より目立つのやめくれって! くっそ、まさか身内に仕事泥棒がいるなんて……。そうだ! おいアナウンス! まだ魔法はいけるよな? 最強クラスの魔法を、俺に魔法を!」

『《はぐれもの》を発動。えーっとじゃあ、無条件でS級魔法ドランスを取得しました。対象を選択して発動してください。選択可能対象……ふふ、瓦谷りょう』

「……癒着、お前ら癒着してるだろっ! いいないいな! 俺も派手に活躍させてくれや!」

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