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10話 ドランス

「ぐごお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛でずわ゛っぁぁああぁあぁ!!」

「魔石、魔石、魔石、魔石、すげえすげえ、もう100個集まったんだが! ……」


 って俺が荷物持ちになっとるやんけ!!

 りょうさんの頭陀袋勝手に借りてげへげへ笑いながら魔石拾って……こんなの見られたらプレイヤーって名乗るの恥ずかしいわ!


「流石にここらで俺も攻撃しとかないと――」

「『ドラゴニックブレス』」

「……なぁにこれぇ」


 ジャンクゴーレムもスマイルロックもベビーグレムリンもワンパン。

 レッドスライムや普通のスライムに関してはサイズが小さいせいで、攻撃を放つことなく踏みつぶして終了。


 洞窟型とはいえ、ダンジョン内の天井は通常あり得ない高さで、『ドランス』で竜の姿になったりょうさんはその巨体に縛られることなくやりたい放題。

 邪魔な岩やなんかはどんどん破壊して進むから、モンスターは遂に隠れることを諦めて集団、排水の陣で襲いかかってくるものの、それに対して超広範囲高火力の王道火炎ブレスが放たれ……2階層は見事な焼け野原。


無双ゲーでもこんなにひどいのは見たことがないってレベル……。

だから爽快痛快快感ではあるんだけど……。


「3がい゛ぞう゛い゛ぎまずわ゛!!」

「りょ、了解っす」


 威圧感凄すぎて下っ端ムーブが勝手に発動してしまう。

 こんなのもうラスボスと一緒に冒険するようなもんだろ。


「ツギのモンスダー……」

「あ、えっと書いてあるんですね、この冊子に……わかりました、3階層の情報を読み上げ……。いやいやこれもう俺が完全にサポーター――」

「ん゛?」

「いえ、何でもないです。えっと3階層のモンスターはコボルト、ワーウルフ、ボーンドッグ、レア個体に……一角ウサギ←経験値稼ぎ用にいいよ! 社長のおすすめ(^^)」


 なんか急にふざけてきたなこの冊子。

 雑貨屋の『店長のおススメ!』みたいなのうっざ。

 くそみたいな会社だと分かっていると余計にこの社長嫌いになりますねえ、これは。


「まぁいいや。わざわざこれに書くくらいなんだから相当稼ぎにはなるんでしょう! レア個体でも俺のスキルで経験値荒稼……でも、りょうさんが倒すと入ってこないんだった。これなんとかならな――」

『《はぐれもの》を発動しました。通常不可能ですが、従属の対象に竜化状態の瓦谷りょうを追加します。瓦谷りょう(竜化)が倒したモンスター分の経験値を取得できます。……はぁ、これだけは絶対して欲しくないって思ってたから言わなかったのに、いい? 絶対エロいことしないでくださいよ。いいですか、絶対ですよ。あなたは獣趣味も持ち合わせてそうですから、本当に怖い。万が一エロいことしたら私もう、あなたのことを性犯罪者として扱いますから。うわ、想像しただけできもい。うっ……。なんか吐き気が――』

「何もしないから! 約束するからそこまでにしてくれ……。俺のメンタルの削り方がお前の場合鬼畜なのよ。まったく……。って今までの分の経験値勿体な!」

「早ぐ」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよりょうさん!」

『あ、言い忘れていたけどレア個体との遭遇率アップを活かす場合、従属させている対象より早く次の階層に侵入しないといけな――』

「それも早く言ってよ!! もう量産が半分身体突っ込んで階段パンパン気味なんだけど! くっそ……」


 このバカでかい階段を下ろうとその巨体を四つん這い状態で進ませるりょうさん。

 俺はそんなりょうさんの脇腹辺りにある隙間をなんとか掻い潜りながらすすもうと試みる。


 鱗のざらざらした感触が案外気持ちいい――


「あ゛ん゛っ!」

『変態……』

「ちょっと待って! これは不可抗力だから! セーフ! セーフですよ! やましい気持ちはゼロだから!!」

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