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EP 72

それは、家族のポートレート。いや、やはりイラストだ。

真ん中にはジェイン、レイラ。そしてその後ろには、ハリー、舞、そしてフレディ。

「マーガレットおばさんは写真を持ってなかったから、描いてもらえてないけど。ごめんね」

「いや、良い。上手に描けているな」

「褒めてくださってありがとうございます。すごく嬉しいです!」

その言葉を聞いて、壱花が両手を合わせて嬉しそうに喜んだ。

「だが、それより大切な人がひとり、足りないんじゃないか?」

フレディがそう言いながら、壱花を見た。その伯父の言葉に、皆が顔を見合わせて、そして。

「壱花のことですね。そう言ってくれて嬉しいです。ね? 壱花」

「は、はい!」

ジェインが横に立つ壱花の頬に、軽くキスをする。

「さあ、これでお墨付きをもらったよ!」

家族写真のイラストをフレディから受け取ると、「ここ! ここに壱花を描いてくれ! 俺の隣にね!」

ぱあっと明るい笑顔。今にもぴょんぴょんと飛び跳ねるがごとくに、壱花は喜んだ。

「はい! 仲間に入れてくださって、嬉しいです。ありがとうございます!」

「仲間じゃないよ、家族だよ」

「ファミリー! 良いですね」

壱花がにこっと笑う。

そんな壱花の肩を抱き寄せると、

「壱花はね、伯父さんに認めてもらうまで、自分の姿はここに描かないって、その一点張りだったんだ」

フレディが驚きの顔を見せた。

「そうなのか。見かけによらず、頑固なんだな」

「そうなんだよ。壱花は強い。いつも俺を正き道へと引っ張り上げてくれるんだ、俺より一段も二段も上から、絶えず笑顔でにこにこしながらね!」

はははと皆で笑った。

✳︎

ここで話は終わらない。

ジェインはその後、イギリス滞在中に、今までは断りを入れていたマスコミの取材を、片っ端から受けた。

『若きチャレンジャー』

『世界に影響力のある人物』

『未来ある御曹司100人』

主に、伯父フレディと父ハリーの事業を継ぐ者としての紹介ではあったが、それでもジェインの興した企業『J-planning』の将来性などにも言及、もちろん辛口評価はあったものの、そのほとんどが好意的な記事となった。そして最後に必ずと言って良いほど、「ジェインさん、あなたの理想の女性は?」と問われ、「私の理想の女性? もちろん妻の壱花です。彼女がどれだけ可愛いか知っていますか? いやすみません、やっぱり彼女のことは誰にも見せたくないし、誰も知らない方がいいから、内緒にしておいてくれます?」といたずらっ子のように笑ってみせた。

だからと言って、壱花が秘密の存在というわけではない。

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