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EP 21

目の前にはジェインの父親。厳格なジェインの伯父フレディよりは柔らかく見えたが、本当にそうなのかはわからない。

(これでお父さんにも結婚を反対されたら……)

その時点で終わりのような気がした。

御曹司というものは、なにかと窮屈な思いをしているのだと、実感したばかりだ。ジェインの伯父が言うように、離婚して新たな結婚相手を。そう言われてもおかしくはなかった。

「いやあ、ジェインもちろんだけど、奥さんの顔も見たかったからね〜」

「来れないって言ってたじゃない」

「うん。仕事のめどが立ったし、ジェインがフレディの攻撃をどうかわすか見たかったってのもあってね」

「そんなの今さらだよ。まったく伯父さんってば、しつこいのなんのって」

「でもまあ、先手を打って結婚ってのもいい案だったね。壱花ちゃんみたいに可愛い相手が見つかって良かったよ」

ほのぼのと会話が進んでいく。戦々恐々と聞き入っていた壱花は、大丈夫そうな雰囲気に、ほっと胸を撫で下ろした。

どうやら、ジェインの父親は、優しく物分かりのよさそうな人のようだ。

今回は日本語なので、内容が丸々わかるという安心感もある。

「あのう、初めてお目にかかります。柊 壱花と申します。今後ともよろしくお願いします!」

挨拶に気持ちを込めた。ジェインと結婚し、妻になった以上、夫のジェインを支えていくのも妻の役目と思っている。古風ではあるが、夫婦揃って支え合っていくのが理想。

まだそれをこなす自信はないけれど、ジェインを愛する気持ちはある。だからこそ、伯父の言葉にもへこみはしたが、屈しなかった。

「こちらこそ、ジェインのことをよろしくね」

「俺も壱花のご両親に挨拶に行かなきゃいけないんだけど、日本では全然時間が取れなくて」

「おいおい、男がお嫁さんの実家に挨拶しにいくのが先だろう?」

「そうなんだけどね。帰国したら、早めに挨拶できるように時間を作りたいと思ってる」

「おまえ、相変わらずモテてたなあ」

「ちょっと! 変な話しないでよ! 俺はもう壱花しか眼中にないからね」

「我が息子よ! おまえカッコいいな!」

「それです! ジェインさんは本当にカッコいいんです!」

ここで壱花が同意。3人吹き出して笑った。

和気あいあいと会話は進む。

ただ……と壱花が続けた。

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