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EP 18

そんなジェインの頼みとあれば、まだほとんど付き合っていない状況でもいいのかもしれない。交際0日婚だとしても、ジェインのことが好きだから。

「だから、期限は決めないが、これは仮の結婚ということでお願いできないだろうか。もちろんそんなことはないと言い切れるけど、もしお互いに……例えば壱花ちゃんに他に好きな人ができたら」

ごくっと唾を飲んだ。

「直ぐに離婚する覚悟は持ちたいと思う。それが契約の条件。どうかな……」

契約結婚。

こたつの上に広げてある婚姻届には、驚くことにすでにジェインのサインがしてあった。

最初はびっくりしたが、伯父が手を回す婚約者候補を敬遠したいというジェインの話を聞いているうちに自分自身に納得がいくのを感じていた。どこかジェインの役に立ちたいと思うところもあったのだろう。

「わかりました」

そして、自分もサインした。

「壱花ちゃん、本当にいいのかい?」

真剣な眼差し。それには真剣な想いで返した。

「はい。これからもよろしくお願いします」

「あ、ありがとう、壱花。ありがとう、愛してる。一生、全力で君を大切にする」

ジェインの青い瞳から涙がぽろっとこぼれ落ちるのを、驚きと一緒にスローモーションのように見ていた。

✳︎

ガヤガヤと周りがうるさくなった。女性3人がトイレに入ってきたからだ。

壱花は我に返ると、はあとため息をつきながら洗った手をハンカチで拭く。

そして、髪を少し整えてから深呼吸。

(もう伯父さんとのお話は終わってるかな……)

トイレから出て、レストランへと向かう。すると、そこに男性が一人立っていた。レストランの中を覗き込んだり、腕時計を見たりと落ち着かない様子で、そわそわしている。

壱花は怪訝に思いながらも、その横を通ろうとした。

「あ、キミ! すまないが、私を助けてくれないか?」

日本語だった。壱花はそれだけで嬉しくなり、ほっとしながら応えた。

「はい。私で良ければ」

男性は、見かけは英国人だが、日本語はとても流暢だ。金髪に口ヒゲ。だがまだ若い。

「ジェインという人を呼んできて欲しいんだ。特徴はブロンドの髪に青い瞳。えっと身長は……」

「知っています。草壁ジェインさんですよね?」

壱花は、これは簡単なミッションだと嬉しくなった。

「そうそう。知ってる? 人違いってことはない? 写真かなにか持ってない?」

確かに人違いであれば、問題だ。

「ちょっと待ってください。確か……」

以前、ジェインに似顔絵を描いて贈ったことがある。その似顔絵を写真に収めていたはずと、スマホをタップし、スクロールしつつ探す。

(そういえば、私ジェインさんと写真撮ったことないっけ)

イラストを出すと、画面を相手に向けた。

「そうそう! この人!」

ドンピシャだ。いや、もう名前が一緒の時点で間違うこともないだろうが。

「呼んでくればいいですか?」

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