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EP 11

ここで本当にジェインが、自分を妻として紹介しているのだと知れて、少しだけ緊張する。

「My name is ichika〜」

挨拶文だけは英語で覚えてきた。あとはジェインが通訳してくれる。

ただ、多くの女性にも挨拶をしたが、その中には壱花とは目も合わせず、ジェインとばかり話している女性もいた。壱花は、英語が話せないのもあってか、なんとなくだが無視されているのではないだろうかという感覚に陥ってしまう。

自分とは住む世界が違う、そんな人々の中にでもジェインはそれが日常とでもいうかのように溶け込んでいた。

自分だけが、浮いてしまっている。そう思わせないようにと配慮するジェインの態度もまた、ぽつんとひとりの孤独感を強める要因になってしまっていた。

「壱花ちゃん!」

声が掛かって、顔を上げた。そこには、ジェインの姉、レイラ。

「あっ! レイラさん!」

ふわっとしたブラックのシルクドレス、髪を後ろでアップにしている。もちろんメイクも美しい。

ほっとした。日本語が懐かしい、それほどに疲れてしまっていた。

「わあ。レイラさん、すごくお綺麗です」

「ありがとう! 私の壱花ちゃんもとっても可愛いわ!」

手を広げ、抱きしめてくる。壱花もその安心感からか、ぎゅっとハグを返していた。

「レイラ、忙しいから来れないかもって言ってたけど、よく来れたね」

「そりゃ弟が結婚披露するっていうんだから、来るに決まってる! ぎりぎりのスケジュールだったけどね」

レイラがウィンクする。

「壱花にも会いたかったし!」

レイラとは一度しか会っていないが、自分を覚えていてくれたことが嬉しかった。レイラはジェインの弟だが、男性に見えないほど、洗練された女性だ。

「それに、ジェインと結婚できなくて、悔しがる女どもの顔を見て、スカッとしたかったしねー」

小声でくすくすと笑いながら言った。

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