空を駆ける荷車と兎と犬と猿
「ぐへっ」
っつ…どうやら反対側の崖には無事飛べたようだ。
ETじゃない。ないったらない。
「ほがっ!?」
「げふっ!?」
続いてあの二人組も落ちてきた。
「イテテテ…危ないじゃないか全く!」
素朴な方の少年が声を掛けてきた。そこには多くの傷が散見される。
「うっ…ごめん…!あの時はこれが一番だと思ったんだ。」
「大丈夫、結果として助かったからねえ。ね?シャルコロぉ?」
白黒の少年がそう言うと、シャルコロと言われた少年はこう言った。
「まあね、命が助かったことは感謝するよ!助かった。
ただ…この荷車…どうしよう」
そこには到底もう使うことのできないような荷車の残骸とその中に入っていたと思しき赤い果実が溢れ出ていた。
「…売り物の余りだし、不幸中の幸いって奴かなあ」
「…そうだね」
「と言うか…」
そう言ってシャルコロと呼ばれた少年は笑いながら言った。
「君の顔どろんこじゃないか」
「なっ!?」
そう言って顔を触ると確かに汚れているようだった。
でも…
「キミたち二人もどろんこじゃないか」
「「マジで!?」」
そう言ってボクたちは顔を見合わせ…笑い出した。
「ぷっ…ふふふ!変な顔だなあ!」
「君こそ!」
「確かに、言えてる」
「「「あはははははは!!!」」」
「ははは…そうだ!キミたちさえよければ友達ならないか!?」
そう、ボクが言うと。
「「ああ、勿論だとも!!」」
と二人から帰ってきた。
こうして、初めての友達が出来た。
さてさて、誰だパクリとか言った人は。
因みにこの世界の舞台は、中世の西洋をベースにしてはありますが、国ごとにかなり違います。文化的には水道等のインフラとかテレビもあります。本編では出てくるのだろうか。
地球の歴史が魔法方面に傾くとこうなります(独断と偏見)