復讐結末、少年は衝動のままに悪を滅す己が正義も持たずに
あんまり人がいる場所で走ってても怪しいか。
復讐終結。
これ以上続くこともない。
フラット、自由。
直接手は下したが捕まりたいわけじゃない。
丁度、騎士たちが居ないタイミングだろうから捕まることは無いと思うがな。
賢者タイムとでも言うのだろうか。
さっきまで高ぶっていた心が何だったのかという感じだな。
足取りを緩め歩くと。やっと周りが見えてきた。
人の営みが生み出す喧騒。
という程じゃないか。
うーん。
ギルドに召集があったということはアルゲンティエルフのことは知れてるはずだが。特に変わった様子もないな。
やはり御伽噺感が否めないのか。
そんなやっと周りの空気になれ、復讐者からただの一般人に溶け込むように戻ろうとしていた時。
俺は路地裏にある光景を見た。
否、見てしまったという方が良いかもしれない。
咄嗟に動いてしまった。
どうしてかも分からない。
正当性はあるのかとかそういうの全部置いて走り出して。
蹴り飛ばした。
いや、飛んで蹴った。
そこに居たのは俺より二つ三つ小さい女の子と一人の男。
女の子は少し前までの俺と同じ隷属の首輪をつけいていた。
男はその女の子を殴っていた。
それがどうしようもなく嫌で。
「な、何しやがるんだ!!」
男が立ちあがりながら言った。
「お前こそ何やってるんだ」
「は?何だよテメェ。俺はコイツを殴ってただけだ関係ないだろ。俺の奴隷なんだから」
「お前のじゃないよ。誰のものでもない。共鳴」
意識が引っ張られ乗り移る。
そして俺はその少女との隷属の契約を破棄させた。
「おい、今お前には二つの道があるぞ。俺と一緒に来るか。それともここに残るかだ。お前が選べ」
少女の瞳を覗き問う。
馬鹿なことをした。かもしれない。
俺にはこれから豊かに生きてく術などない。
分からない。
明日、いや。今日のことすら決まってない。
そんな俺と来るか。ここに残るか。
「......」
少女は黙っていた。
「あれ?お前何やってんだ?」
奥から男の声がした。お仲間登場か。
すぐに乗っ取った男の方で殴る。
「っ!何すんだいきなり!」
「死ね」
ザクっと腹を一突き。
これなら生き残れるかもしれないだろ。
「っ!テメェ」
っくこんなタイミングで頭痛。
そこまで乗っ取った奴は強くないと思うんだが流石に使い過ぎたか。
出鱈目に振られた拳が頬に当たる。
ただ、それで痛みが増したのか。
男は痛い痛いと喚き始めた。
あまり長居すると騎士とか呼ばれた面倒だ。
俺は路地裏から出た。
歩きだそうとすると。
誰かに服を掴まれた。
降り剥くと、あの少女が俺の裾を掴んでいた。
「そうだよな。行くか」
もう一度俺は前を向き歩き出した。