班長からの指示
2220年 班長が俺たち二人に指示を出す。
「本部から指示がおりた」
「内容は?」
文野サトミ(ふみの)が班長である田辺さんに聞く。
俺は田辺班長に視線を向ける。
田辺班長の目つきが変わる。
「テロ組織である蛹を国内で捕まえろ」
「蛹を国内で?」
俺は班長に疑問を感じた。
国際テロ組織である蛹は十年前にリーダーである天王寺 南が世界で解散を表明したからだ。
「解散後、バラバラになった何人かは今も逃亡している。今現在もまた蛹を復活させるつもりで常に準備をしている情報を得た」
「つまり解散後に逃亡をしている何人かの内、誰かがこの国内に潜伏しているということね」
里美が俺の肩にポンと手を乗せ説明した。
そしてもう一つ疑問に思う事があったので班長に聞く。
「何故僕とサトミ何ですか?」
「大勢で捜査を行えば、蛹に勘付かれ、民衆に危害を加えられるかも知れない、だから少人数で捜査するのがベストだと思うからだ」
「いや、それは分かりますよ。でもサトミと僕以外でも良かったんじゃないですか?」
「ユウト、俺達のグループは頭が硬く、熱血で大真面目な奴らばっかりだ。そんな中、常に何を考えているか分からないイカれたお前が今回の鍵になると思ったんだ」
真剣に言っているようだが俺には田辺班長がディスっているようにしか聞こえなかった。
「じゃあサトミは何で?」
「人の言う事も聞かないお前に対して誰もコンビは組みたいと思わないだろう。だが文野はユウトとならコンビを組みたいと私に言ってきた。それに一匹狼のお前についていける強い人間と言ったら文野しかいないと思ったからだ」
俺は田辺班長からサトミに視線を移すとサトミはドヤ顔で右手でピースした。
「最後に分かっていると思うが今回の件については他言無言だ。身内にも口は開くな、あと文野!ユウトを頼むぞ!では解散!」
「了解!」
田辺班長の命令に俺とサトミは敬礼をした。
最後の最後までディスられた感じがした。
険しい道のりは覚悟の上だ。今日この日から他の事件などを捜査しつつ、国内に潜伏していると言われる国際テロ組織の蛹のメンバーを捕まえるために様々な出来事が自分に降りかかって来る。
とりあえずいつもの日課で仕事終わりに一人でご飯を食べに行く。今日は酒場でたこ焼き十二個と生ビールのセットで一日を終える。
お読みになって頂きありがとうございます。