第八話 変化
あさ目が覚めて、学校へ行く
その道で俺は痛いほどの視線をあびながら歩くんだ
何も変わらない道。何も変わらない視線
でも、一つだけ変わったことがある
それは・・・
「ソラー。おはよう。」
「おっ、おはよう・・・」
担任のイツキ先生だ
初めて俺に優しくしてくれた人
初めて、俺が信頼できると思った人だ・・・
でも、わからないんだ・・・
今まで、人と接することなんて一度もなかった俺が。どうやって先生と接していけばいいのか・・・
それどころか、無意識のままに人を拒んでしまう・・・
あんなにうれしかったのに・・・
初めてやさしくされて、涙が出るほどうれしくて・・・
でも、やっぱり人が怖い・・・
あっという間に給食の時間になり
みんなはもう食べ始めていた。今日の給食はカレーだ。でも、あまりはなかった・・・
「今日の昼飯はなしか・・・」
一人で呟きながら席に着き、あまりの日の温かさに気持ち良くなって、寝てしまった
俺は誰かに肩を叩かれたような気がして目が覚めた
うつろな目を開けて顔をあげると、そこには同じクラスの桐沢って人がいた
俺はびっくりして目を見開いた
「うわっ。なんだよ、こっちまでビビっちまったじゃねーか」
「・・・・」
俺に話しかけてる?この人は俺のこと避けないんだろうか?
「なぁおい。ソラ。だっけ?」
俺はびっくりしすぎて声も出なかったから、コクンとうなずいた
「今日家帰ったら、俺と遊ばねェ?」
「えっ?」
今・・・なんていった?
遊ぶ?俺と?どうして?
俺はあまりの驚きに混乱状態に陥った
俺の返事の遅さに桐沢って人は恐る恐る聞いてきた
「でさ・・・いいの?」
「えっ?」
「だから・・・遊ぶのか遊ばないのか・・・」
「えっと・・・」
返事が分からない。遊びたいけど、俺と遊んだりなんかしたら、桐沢って人はきっと後悔するだろう
それに・・・遊び方なんて知らない・・・
すると、迷っている俺に気づいたのか、桐沢って人は言ってきた
「あーも!んじゃ、遊ぶな!ってか遊べ!」
「えっ・・・」
「なっ!」
そう言うと、桐沢って人はニシシっと笑った