第四話 比良元辰哉
俺の名前は比良元 辰哉(ひらもと たつや)
最近マサヒロの様子がおかしい
俺らは昼休みになると屋上に上る
んで、俺は寝っ転がって空見ながら寝るんだ
でも、マサヒロはグラウンドの端っこをいつも悲しそうに見ている
顔は見てねぇけど、なんとなくわかる。なんせ、もう3年以上の付き合いだからな
ある日俺は思い切って聞いてみた
そしたらマサヒロはすごく困ったような顔して「別になにもないよ?」
と言っててきた。これは怪しい
あいつがはっきりいわね―時はなんかある時だ
でも、あいつが見てたところを見ても何もない
俺が「なにもねー」って言うと、あいつはすっげーほっとしてあの木にぶら下がってる
ブランコをみた
次の日の昼休み。俺は給食当番の帰りにこっそりあのブランコのところに行ってみた
するとそこにいたのは、ソラだった。
俺はびっくりして思わず木の陰に隠れた
俺はこれ以上ここにいたらまずいと思って、走ってマサヒロの所にいった
「ごめんごめん。途中で便所に行ってた!」
「ふーん」
マサヒロはなんだか疑ってるような顔で見てきた
まぁとりあえずいつものように屋上に行った
すると珍しくマサヒロが俺の隣に座ってきた
「ねぇタツヤ。行ってきたんでしょ?あのブランコのところに」
さすがマサヒロだ。見抜いてやがった・・・
「ああ。ごめん・・・」
「なんであやまるの?」
「やっ、なんとなく・・・」
「ふ-ん・・・タツヤはどう思う?」
「ソラか・・・」
それから沈黙が続いた
最初に口を開いたのはマサヒロだった
「タツヤはやさしいから。きっとあのことも友達になると思ってた。だから・・・いやだったん だ」
「マサヒロ?」
するとマサヒロは目に涙をためながら続けた
「タツヤがあの子と友達になったら、僕は捨てられる。僕鈍感だし、馬鹿だし・・・」
「お前そんなこと気にしてたのかよ・・・。言っちゃわりィけど、ソラだって馬鹿だぜ?それ
に、お前のことそんな風に思ったことない。お前は、俺が友達になりたいって思ったからこう やってつるんでんだよ。お前が、俺にソラと友達になってほしくないって言うんなら、俺はな らない。お前は俺の親友だ。安心しろ。」
「本当?」
「ああ。まじだ!信じろ」
すると、マサヒロは安心したのか、涙を一粒だけ流して一番の笑顔で笑った。
俺も、つられて笑った。