第三話 横木雄大
僕の名前は横木 雄大(よこぎ まさひろ)
僕はこの学校に入学してきた頃、いつも一人ぼっちだった
僕は人よりも少し体が大きくて鈍くて、頭が悪いからはずされてた
でも、そんな僕に
「お前とは気が合うかも知れねー」
と言ってくれた子がいた。その子は今、僕の親友だ
でも今、同じクラスに一人ぼっちの子がいる
昼休み。僕は親友のタツヤと一緒に屋上に上った
タツヤは寝転がってボーっとしてる
僕は手すりに寄りかかってグラウンドを見ていた
グラウンドのはしには、一つだけ大きな木が立っている
そこには他の木が邪魔になってよく見えないけど、ブランコがあった
一人ぼっちの子はいつもあそこに座ってどこか遠くを見つめてる
僕はタツヤと仲良くなってからここに来るたびにその子をみていた
そして、昼休みが終わって僕はタツヤを起こして教室に帰る
その一人ぼっちの子の名前はソラ君だ
次の日の昼休みも僕らは屋上に上って来た
ソラ君はやっぱりあそこにいる
すると今日は珍しくタツヤが寝転がらないで僕の隣にきた。そして
「お前さぁ、昨日も思ったんだけど、何をそんなに見つめてんの?」
と聞いてきた。僕はびくっと反応してしまった
「なんかあんのか?」
「別に何もないよ?」
そう言って僕はちらっとあのブランコのほうを見た
タツヤはそれを見逃さなかった
「あのでかい木になんかあんのか?どれどれ・・・」
そう言うとタツヤは乗り出して見ていた
僕は下を向いてタツヤの反応を待った
「別に何もねぇけど・・・」
僕ははっとして見てみた。すると、タツヤが行っていた通り、ソラ君はいなかった
「変なやつ。」
そう言って、タツヤはいつものように寝っ転がった
別に見られてもいいのに、なんで僕はこんなに隠そうとするんだろう・・・
タツヤはやさしいから、いつも一人ぼっちでさみしそうにブランコに座るソラ君を見たら
きっと友達になる・・・
そしたら、こんな鈍感な僕のことなんて捨てちゃう・・・
僕はそのまま今日一日が終わってほっとした。でもそれと同じくらい、心が苦しくなった