第二十九話 企み
今日は唯一時間があるから!
2個目☆
辰哉の話では酒井は日本を完全に自分の支配下にし、操ろうとしているらしい。
詳しい事情やたくらみは辰哉には教えてくれないそうだ。
「なあ辰哉。お前あそこから逃げられねえのか?」
「・・・」
「そうだよ!ぼくたちが辰哉も辰哉のお母さんも守るから!」
「無理だよ。」
「なんでやってないのにできないって言うんだよ!」
「翔も雄大も落ちつけよ!」
「んなこと言ったって!つーかなんで空はそんなに落ち着いてんだよ!!!」
「俺は酒井がそう簡単に自分の駒を逃がすようなことはしないと思う。」
「それって?」
「今日はいつもの見張り役がいないだろ?」
「それ、俺も気になってた。いつも絶対について来んのに・・・」
「絶対何か理由があって辰哉を自由にしてるんだよ。」
「何かって?」
「うっ・・・・。」
沈黙が4人を包んだ。
その沈黙を破ったのは辰哉だった。
「とにかく今日は戻る。怪しまれたら外にも出してもらえなくなるかも出しな。」
「そだな。」
「辰哉。元気で。」
「おう!」
そう言って辰哉は笑顔で去って行った。
それが辰哉を見た最後の日になった。
「比良元 辰哉君。ご苦労だった。」
「いえ。」
「どうだたかい?君の仲間たちは。」
「以前となんら変わりはありませんでした。」
「そうか。これからも見張り頼むよ。あの子たちは、いや。空とかかわって唯一生かしてやっているのだからな。」
「・・・はい。」
辰哉は悔しげな顔で部屋を出て行った。