第二十七話 取り戻せ!
遅くなって大変申し訳ありません!
ですが、これからも間が結構開くと思います。
本当に申し訳ないです。
それでは、半年振りで話がよくわからなくなってきましたが、どうぞ読んでください!
あれから、俺たちは毎日酒井のビルに行った。
しかし、中に入るにはもちろん、前を通る時ですら警備に止められた。
なので、警備がうすい裏の駐車場の向かいの花壇に身をかがめながら見張っていた。
そうしていると、あることが分かった。
それは、辰哉が毎日処刑台へ行くことだ。
その目は悲しみにあふれていた。しかし、どこかあきらめているようにも見えた。
今日も辰哉は出かけるようだ。
しかし、いつもついて来る見張りの奴らがいない。
翔、雄大、俺は目配せをした。
いつも通り処刑台にやってきた。
でも今日はいつもちょっと後ろからついて来る見張りの奴らがいない。
まあ、俺はそっちの方が気が楽でいいけど。
それにしても、もう昔のことみたいだなあ。
母ちゃんは元気なのかな。最近ずっとあってない。というか会わせてもらえない。
父ちゃんの次は母ちゃんか?
いや。そんな頃はゼってぇにさせねえ。
そういえば、この前雄大と翔と空が来てたっけ。
なつかしいなあ。
俺。もうあそこに戻れないのか・・・。
「動くな!静かにしろ!」
「ッ!!!!」
いきなり後ろから目隠しをされ、手を拘束された。
「誰だ!離せッ!」
「辰哉。俺だ。」
「ッ! 翔か・・・?!」
「そっ。とにかく静かに。こっち来てくれ」
俺は黙って翔に従った。
するとある場所についたらしい。目隠しを外してくれた。
そこには辰哉と空がいた。
「ここ、俺たちの新しいたまり場。」
「辰哉ッ!」
いきなり目の前に立ったのは雄大だ。
怒られると思い、顔を上げられなかった。
「元気?」
「ごめん!・・・・・え?げんき?」
「うん。元気?」
「おう。げ・・・元気・・・。」
「そっか。僕も元気!」
そう言って雄大は笑った。
久しぶりに見たのと、雄大のあまりの笑顔にうれしさと安心感が生まれ思わず涙が出た。
「おッ!辰哉がないてるぞ!」
「ホントだ!男泣き~」
翔と空にからかわれてるのに、涙がどんどんあふれた。
「ふ~ん。そんなことがあったのか・・・。」
あれから落ち着きを取り戻した辰哉から事情を聞いた。
辰哉父が処刑されてからすぐに辰哉が拘束されたこと。
それからはあのビルにずっと閉じ込められていたこと。
今は、酒井の駒として働かされていること。
「ひどいよ!辰哉が何したんだよ!!」
「雄大・・・。」
「そういえばさ、辰哉。あの時、俺たちが辰哉を見つけた時なんて言ってたんだ?」
「え・・・?」
「そうそう!空言ってたよな!辰哉がなんか言ってたって。」
「・・・・・なんでもない。」
「んあ?なんて?」
「だから!なんでもねえよ!!」
そういって赤くなった顔を隠すように辰哉はそっぽを向いた。
それに気を悪くした空と翔はさらに詰め寄った。
それに雄大まで加わってきたが、全力で話を反した。