第二十二話 友達だから
もし、待っていてくださった方がいらっしゃるのなら、
投稿遅れてすみません<m(__)m>
これから、なるべく頑張ります!
たぶん・・・(←オイッ!
雲に覆われた空。
くすんだ太陽。
少し冷たくなった風。
超高層マンションの前に立つ3人の少年たち。
「あいッ変わらず、でっけーなあ~。」
「空の家って、このマンションの一番上の一番はじっこだよな・・・。」
「うん。001室だよ。まえ来た時、受付の人が言ってた。」
「おい。雄大!先に行けよ・・・」
「え~!なんで僕なのさ!そういう翔が行きなよ。」
「やだよ!オレ、こういう高そーな所イヤなんだよ・・・!頼む(>_<)」
「え~僕だってヤダよ!辰哉!パス。」
「なんで二人ともそんな嫌がるんだよ・・・?前にも入ったじゃんか。」
ほら行くぞ!といいながらずかずかと入っていく辰哉を後の二人はぎこちなくちょこちょこと小走りで追いかけた。
「001室の空に用があんだけど。」
「001室の方ですね?少々お待ちください。」
受付につくと片膝を置きながら、無愛想に辰哉は言った。
こんな態度にも受付の人はにこやかな営業笑顔で答え、そばにあった電話に手をかけた。ある番号を押して、受話器を耳にあてた。
「こんにちは。こちらは受付でございます。お客様が3人いらっしゃっているのですがお通ししてもよろしいでしょうか?」
少しの沈黙を置いて受付の人は受話器を離して俺らに名前を聞いてきた。
どうやら、空に聞かれたらしい。
「えーっと、俺が翔で、あと辰哉と雄大です・・・。」
なれない敬語を使う翔に、辰哉と雄大は噴き出した。翔はそんな二人を少し睨んだ。
「翔様と、辰哉様、雄大様です。」
受付の人は受話器を置いた。すると横のガラスの分厚い扉が開いた。どうやら空が承諾したようだ。
「どうぞ、お通りください。001室はあちらのエレベーターで最上階まで登って、左に行っていただくとそこにございます。」
俺たちは軽くお辞儀をしてエレベーターに乗った。
エレベーターは外の景色が見えるようになっており、ジェットコースターのあの一気に下る前の感じと似ていた。
最上階にまではすぐに付いた。降りるとすぐ左に001と書かれたドアが見えた。
「空―!俺だぞー。」
「おい。翔!そんなでかい声出すなって!」
「そうだよ。さっきまでは、高そーな所はいやだとか言ってたくせに。」
「まあまあ。」
翔が適当に流していると、
ガチャ
と音がして、空が出てきた。
「おー空!元気か―?遊び来たぞ(*^^)v」
「遊びじゃないよ翔。お見舞いだよ。」
半分あきれた感じで雄大は言った。
「まぁ、まずは入って。」
あれ?空、なんか元気・・・ない・・・?
ふと翔は思い、辰哉と雄大に目を合わせてみた。
だが、二人はあまり気付いていないようだ。
気のせいか・・・・。
「大丈夫?空。」
「何が?」
「何がって、今日「うおー!テレビでけー!!」」
「ソファーふかふか!ひゃっほー!」
「ちょっと二人とも!今日は空のお見舞いにきたんだからさあ!」
「お見舞い?あ~、そっか。今日オレ休んだんだった。大丈夫だよ。元気元気!」
「ホントか?」
「な・・・っなに?」
さっきまで騒いでいた翔が急に空に詰め寄ってきた、空は少し後ずさった。
「なあ空。お前ゲームとかもってねーの?」
辰哉ナイス!と思いながら、空は逃げるように辰哉のもとへ向かった。
「あるよ!ちょっと待ってて。今持ってくるから!」
空の奴。ぜってぇーなんか隠してる・・・。
でも、今まで何かを隠そうとすることなんてなかったのに・・・。
なんでだろう・・・・。
「うがー!空強えーな!」
「ほぼ毎日やってたもん!」
「うわっ!もうこんな時間だ!」
いつの間にかゲームに熱中していた4人は時間を忘れていた。
「まじかよ・・・。母ちゃんに怒られる(>へ<);」
「俺ら帰るけど、翔はどーする?」
翔は空をちらりと見た。
「いや。俺はまだここにいる!お前ら先帰ってて。」
「わかった。じゃあな~二人とも~」
「バイバイ。空。翔。」
「ばいばーい。」
「じゃな―。」
玄関のドアのガチャンという音が響き、部屋はしらけた。
いつもなら、騒がしい翔が今日はやけに静かだ。
ゲームの時も一人で何か考えてるみたいだった。
どうしたのかな・・・?
「なあ空。」
ゲームの後片付けをしている時に、急に声をかけられたので、空はびっくりしてゲーム機を落としてしまった。
「なッ何?」
「お前。なんか隠してるだろ。」
「え?」
「え?じゃねえよ。今日、ずっと元気なかった。」
「それは、翔の方じゃ・・・」
「オレ?俺はいつも通り元気だぜ?」
「でも、ゲームの時もなんか、ずっと考えてるみたいだったし。」
「だから、今日の空は元気ねーなあって、考えてたんだよ。」
「・・・・・。」
「やっぱり!お前今日無理して明るくしてたみてーだけど、俺の目はだませねえぜ!」
空はふいてしまった。
「言えよ。『友達』だろ?」
「・・・俺。」
空の目から涙があふれ出してきた。けれど、空はそれを必死にこぼれおちないようにこらえていた。
「俺、裏切り者なんだ・・・。」