第二話 孤独
次の日。俺は学校に行った
そこには俺と同じ年の子がたくさんいた
でも、昨日と全く同じだ・・・
教室に入ると痛いほどの視線が刺さってきて
俺の周りから人は消えた・・・
そんときの俺はそれがまだ辛かった
授業ではみんな手をあげて答えているのに
俺は一人何も分からなかった・・・
だって俺は、字も書けないし、算数なんて一度もしたことがなかった
唯一できることといったら体育だけだろう
でも、そんな体育も、誰も俺を入れてくれなくて、いつも一人でボールで遊んだりしていた
そんなある日の昼休み。一人でボールをけって遊んでいると一人の男の子がやってきて
「ジャマなんだよ。そんなボール遊びすんなら、あっちでやっててくれない?」
と言って、ボールをけった
俺はとぼとぼ歩きながらとりに行った・・・。ボールは、グラウンドの一番端の大きな
木に引っ掛かっていた
そこには、たった一つ、木の枝からつるされてできたブランコがあった
そのブランコは、他の遊具からはずれて、一人さみしそうに風に揺れていた・・・
俺は涙が出た
そのブランコがまるで俺のようだったから・・・
なぜかはわからないけど、すべての人から嫌われて・・・
一人ぼっちで・・・
でも悲しいと思ったことはなかった・・・
だって、この孤独は”悲しい“ってもんじゃなかったから・・・
”つらい“だったから・・・
今まではこの孤独が当たり前だと思っていた。でも、外の世界に出てみて、みんな家族を持っていて、友達もいて・・・
それがわかると急に俺の孤独が分かってきて・・・
幸せに暮らしている人たちや、俺をにらんでくる奴らを
憎んで憎んで・・・でも多すぎてきりがなくって・・・
俺は一生この孤独といっしょに生きていくんだと思うと、一番つらかった・・・
そんな孤独と戦いながらあっという間に3年が過ぎて、俺は9歳だ
どうせこの1年もこれまでと同じように無駄に過ぎていくだけだ・・・
そう思ってた・・・