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sky-そら-  作者:
14/31

第十四話 雨のち晴れ

目覚ましがなる


目をかすかに開けると太陽の光が差し込む


重い体を動かして洗面所に向かう


顔を洗ってパンを食べる


そして歯磨きをして学校へ行く


何も変わらない朝


何も変わらない俺


でも、一つだけ変わった





空はいつものように通学路を歩いていた。相変わらず、町の人たちからの視線は痛い。でも、そんなのは空にとっては当たり前。でも、そこを抜けるとさらに視線が刺さる。そこは学校だ。でも、それも空にとっては当たり前。そこを抜けると今度は教室だ。そこに入るとにぎやかな教室は一瞬にして静まり返る。そして、みんなの視線が刺さる。それが空にとっては普通だったから別に気にしたことはなかった。今日もまた、その当たり前の今日に向かって歩いていた。ドアを開けると教室は静まりあえり、みんなの視線が刺さった。でも、今日は違った。その静まり返った教室に


「おはよう。空」


という声が響いた。その声の主は、


「・・・おはよう。翔・・・」


そう。昨日、友達になった桐沢翔だ。

クラスの人の視線は空から翔に移った。すると、二人組が教室の中に入ってきた


「おはよう。翔。空」


「ふぁ〜。はよー」


そう。この二人組も昨日友達になった横木雄大と比良元辰哉だ。

クラスの人は、いつもの当たり前の光景ではない出来事に騒ぎ始めていた


「はよー。雄大。辰哉。てか、辰哉。お前その挨拶こっちが眠くなんだけど…なぁ空」


そう言って、空の方を見た翔は眼をギョッとして驚いていた。そして、その表情を見た辰哉も驚いていた。


「おっおい。泣くほど俺のあいさついやだったのかよ」


空は、目から涙を一粒、また一粒とこぼしていた。

これは、きっとあの時と同じ。

そう、乙樹先生に教わった、あの



『うれし涙』




「ううん。おはよう。辰哉。雄大」


そういった空の顔はとても晴れ晴れとして、さわやかで、クラス中の人々が空に見とれた。


「今日の空は快晴だな」


そういった翔の言葉でクラス中が笑顔に包まれた




この日から、教室で空に対してとげのある視線を送る人はいなくなった


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