第一話 外の世界
ここは、日本の裏にある、もう一つの日本
ここでは、ある一族が国を仕切っていた
だが、ある日国のおさが、裏切り日本は一度壊滅の危機にさらされ
その一族は暗殺された。たった一人を残して・・・
日本はある男によって復帰し、今は以前よりも良くなっている
そんな日本に住む空は、人々から孤立していた
なぜなら彼が・・・
暗殺された一族のたった一人の生き残りだから・・・
でも、空にそのことは告げられなかった
俺の名前は空。
俺には何もない。
親も、友達も、信頼できる人も
俺には何もできない。
遊ぶことも、ケンカすることも、誰かの名前を呼ぶことも
俺は決して自由になることなんてない
決して・・・
俺はいつも一人ぼっち・・・
どこに行っても、何をしていても
一人ぼっち
どうして俺は生きてるんだろう
どうして俺は生まれてきたのだろう
どうして俺は・・・
俺の一日は何も変わらない
朝目が覚めたら顔洗って、国のやつらが買ってきたおにぎり食べて
部屋ん中で一人、ボーッとして過ごす
そんで、昼になったら、国のやつがきて検査をする
変なもんが見つかると、俺はすぐ監禁所行きだ
さみしいと思ったことはなかった。これが普通だと思ってたから。俺が5歳になるまで
一度も外に出させてもらえなかった。だから、家族とか友達とか、外の人の生活とかそういうの
全く知らなかった・・・いつも中で見てるだけで、俺にとっては知らない世界だった
でも、6歳になったとき、初めて外に出ていいと言われた
俺は、すぐに外に飛び出した。でもそこから俺の地獄は始まったんだ。
外に出た瞬間、人々の視線が痛いほど突き刺さってきた
さっきまでにぎやかだった町が静かになり、重い空気に変わった
俺は耐えられなくなって、逃げだした・・・無我夢中で走って、やっと着いたのが公園だった
そこには俺と同じくらいの年の子がたくさんいた
少し安心して公園の中に入ると、ボールが転がってきた。俺が手に取ると、このボールの持ち主
らしき子がきて、こう言った
「一緒に遊ぶ?」
俺はうれしくてすぐに返事をしようとした。すると・・・
「だめよ!」
と言って、女の人がすごい顔をしてやってきた。たぶんこの子のお母さんだろう
「この子とは遊んじゃダメ。」
「どうして?」
「だってこの子は・・・」
そういいかけると、公園は静まり返った・・・
「ううん。今日はもう帰ろう。」
そう言うとその男の子と、母親は帰っていった。それと同時に、遊んでいた子たちも全員
いなくなってしまった・・・
また独りぼっちだ・・・すると公園にいつもの国の人が来た。
「初めての外の世界はどうだった?」
「・・・・」
「まぁいい。明日からは学校に行ってもらう。」
「がっこう?」
「そうだ。明日行ってみればわかる。じゃあな」
「ご飯は?」
「もう外に出られるようになったんだ。自分でどうにかしろ。」
そう言って、その男は去っていった