03仕掛け
03仕掛け
一日では終わらない。かなり時間が掛かる作業になるだろう。
俺はポリタンクを持って、まず1件目のアパートに向かった。
ほぼ等間隔で3件。
玄関が開いていて、中に鍵も置いてあったアパートの部屋が幾つかあったのでそこを使っている。
最初からこっちに住んでいればどこに居るか分からない隣人にビビることも無かったのかもしれないが、俺もまた見晴らしを気にした一人だ。やはり安心感が違う。
あまりストレスを感じすぎると臓器不良で死ぬ。それは避けたい。
長く滞在するつもりでこうやって周りのアパートも確認したのに、2週間で他の生存者の痕跡を発見するなんて運が無い。
コンビニもスーパーも結構あるのでもう少し長く平穏に生活できると思っていた。
その日は帰るのが面倒でそのままアパートで眠った。
普通に疲れたせいでもある。
体力の消耗は気にしておかないといざという時危ない。
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同じようにして、3件のアパートにポリタンクを運び込んだ。
ポリタンクから500mlのペットボトル4本に移し替え、周辺のスーパーやコンビニを回る。1件で4本全部空になる。
地道な作業が続いた。
その間一回も奴らに出くわさなかったのは俺も少し慣れてきたという事だろうか。
いや、この辺りは数が少ないのかもしれない。だから他の生存者がいるのかも。
周辺の店舗もだいたい確認してあったが、俺が最初に回った時に比べるとやはり食料が減っていた。
1グループか、複数グループか。
全く出くわさない。俺が警戒しているからか、相手も警戒しているからなのか。