表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/72

17 避難所にて9

17避難所にて9

 

 おかしな事が多い。

 

 本当に警察官や自衛官が引き上げる必要はあったのか。

 避難所の割当もどういう基準か気になる。

 インターネットが突然切れたのも不思議だ。

 サーバーの管理ができなくて落ちるというのは分かる。

 だがその後、一気に通信が断絶してしまったのはなぜなのか。人為的なんじゃないのか。

 インターネットサイトが少しずつ繋がらなくなっていく中、メールやSNSは重いものの使えていた。

 それが一気に落ちた。

 半ばパニックなった人達に詰め寄られたが、こっちだって何でか知らない。

 かなりの罵詈雑言を食らったが、心が死んだクレーマー処理係はヒラヒラと躱してさっさと帰らせた。

 彼は就職先に困らないと思う。

 

 

 ■

 

 

 余計な事を色々と考えながら、死体を処理する。

 

 

 ■

 

 

 死体処理場は一応秘密という事になっている。

 でもバレバレだ。

 燃やすと煙があがるし、保健室付近から運ぶんだから、位置もだいたい分かるだろう。

 

 連中も知っていた。

 

 □■

 

 

 俺が鼻歌まじりに死体を処理しているのを見て、コイツは仲間にできると思ったらしい。

 楽しそうに死体を処理していたそうだ。連中の目線では。

 

 鼻歌交じりだったのは気を散らすためだったりしたのだが。

 俺はあまり表情が無いので、だいたい相手が勝手に、思いたいように受け取る。

 連中には、俺が楽しく死体処理をしている方が都合が良かったのだろう。

 

 強姦して、いたぶって、殺して、そして今まで露見していない。

 完全に舐めている。

 自分達が捕まるはず無いとか、自分達は凄いとか、犯罪が上手くいき続けて、もともと丈夫じゃなかった頭がそっち方面にも壊れたみたいだ。

 

 そう、連中は上手くいき続けていた。

 

 死体の処理を俺に頼んで……いや、命令してきた。

 言うこと聞かねーと殺す!

 ってやつだ。

 包丁突きつけられた。

 

 今までは学校の周りの林にテキトーに穴掘ってテキトーに土かぶせていたらしい。

 

 寄生虫入の死体を埋めるとか。

 江戸時代の人糞肥料で寄生虫被害が大変だった事を知らんのか。

 野菜の生食レシピが圧倒的に少ないし、その後ちゃんと発酵させて熱で寄生虫を殺す様になるまでどれだけ長い道のりだったか。

 

 などと、心の中で悪態をつきながら、作業を続ける。

 

 実際のところ、便の方も埋めたままなので同じだ。二次被害とか知らん。ただ、批判したかっただけだ。

 ゾンビ虫は主に血中と脳にいるので糞便にも居るかは知らんが。

 

 埋めてしまったものはしょうがない。

 埋めた場所も教えてはもらえなかったし。

 だが、1つ2つじゃないだろう。

 

 ○

 

 死体置き場を毎日チェックする。

 死体があれば、俺がそれを燃やす。

 保健室から運び出された死体が無いのに煙が上がっている事を、管理員の誰も突っ込んでこなかった。

 皆疲れている。

 

 毎日死体があるわけじゃない。

 週に1度あるかないか。

 前からこの頻度だったとしたら、もう10人以上殺されている。

 

 

 ○

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ