01 近所のコンビニ
01近所のコンビニ
銃火器ほとんど無し。
無双はあります。主人公tueeです。
ゾンビパニックホラーですがそういうホラーではありません。
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「やっぱりか……」
やばい。声出てた。
思わず身をすくめて辺りを見回す。
陳列棚、陳列棚、レジ。自分の呼吸音以外の音はない。
奴らは音には敏感だ。気を付けないと。
比べるべくも無いが、陳列棚の商品が減っている。
お菓子やカップ麺がごっそり無くなっている。電気が切れて常温の冷蔵庫からは主にジュースが減っていた。
サプリメントや日用雑貨、消耗品が減っていない所を見ると、獲っていった連中の想像が付く。
それほど怖い手合じゃない。
とはいえ侮りは良くない。
実際、レジは破壊されていた。レジを破壊してヒャッハーなのは笑ってしまいそうだけど、レジを破壊できる武器を持っていて、大きな音が出るのにも関わらずそれを使うという発想は警戒してしかるべきだ。巻き込まれたらかなわん。
化粧品もとられているのに気付いた。女がいるのか。
物の減り具合から複数人だと推測した。一人で持てる量ではない。最低2人。
このコンビニは俺がキャンプしている場所から半径500m以内。行動範囲と決めている圏内にある。
というか、この範囲内だけでコンビニ7件あるんだが。
10階建て以上のマンションが1件。後は3階建てとか古い4階建てとかが多い。採算取れてたんだろうか。
とはいえ、オフィス街と駅の中間地点の地域なので、住民だけじゃなく通勤途中や帰宅途中の客がいたのかもしれない。
俺はコンビニを出て、キャンプに帰る。キャンプと言っているのは自分への言い聞かせでもある。
ずっとここに居られるわけじゃない。いざとなれば移動する。仮住まい。
どこかに安住の地、それか帰る場所がある。そんな風に思ってしまうのは良くないが、腰を軽くする効果はあると思う。
エレベーターが止まっているので、徒歩で階段を登る。この範囲に1件だけの13階建てのマンションの11階が俺のキャンプだ。