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第四十四話 『四十四』
『光と土の狭間にいる僕にようこそ』
扉の前に置いてある看板にはそう書かれてあった。それを見て僕はここがどういう世界であるのかを理解していた。ここで全てが終わる。やっと本物の執着駅を見つけたんだ。曖昧で不安定なあの世界から抜け出せるんだ。だけど、なぜか喜びと同時に憂鬱な気分になっていた。
本当にこのままこの部屋に入ってしまっていいのだろうか?進むべき道を通っていなかったのではないだろうか?いや、進むべき道しか通っていなかったことが問題なのかもしれない。一度、抱いてしまった不安がいつまでも消えずにいた。だけど、今さら後戻りなんてできない。ここにリセットボタンなんてない。どこかにロードできるわけじゃない。この扉を開けて行き着く場所へと進んでいくしかない。どんな結末を迎えようが、ここまで選択してきたのは自分自身だ(この頭のなかにいる住人も含まれているだろう)。後悔したって、何の意味もない。自分を責めたって、何にも救われない。もうこの道で終わりを迎えるしかない。
僕は意を決して、エピローグへと向かう扉を開けた。




