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三十一話 『三十一』
……そこにレールを壊している青年がいた。僕はその顔に見覚えがあった。あの眼鏡。あの唇。間違いない。佐藤友哉だ。何故、ここにいるんだ?僕の世界には存在しないはずなのに。何故なんだ?ここは一体どこだ?ああ、思い出した。ここは夢だった。ここは土のなかだった。だから、何でもありなんだ。僕はその光景をただ、ぼっーと見続ける。同じ世界なのに遠くに感じた。一体、あれは誰のレールを壊しているのだろうか?僕のだったらいいな。いや、そんなことはないだろう。たぶん、自分のだ。結局、皆もあんな風なことをしているんだ。他人が他人のレールを壊すことなんて、できないんだ。自分自身で破壊しなければならないんだ。僕は虚しくなった。いつまでもここにいるわけにはいかない。僕は進まなければならない。とにかく、この物語を終わらせなければならない。次の章で終わらせよう。




