表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ある日やってきた猫

作者: 綾戸いずな

 ある日、ぼくの家に猫がやってきた。初めて会った時、その猫は大きな怪我をしていた。話に寄れば、外で倒れていた所を拾ってきたらしい。もっとも、そんな理由はどうでもよかった。ぼくは猫が苦手なのである。汚いし臭いし、なによりぼくを見下すような目で見てくる。

 でも、時には優しくしてくれることもあった。ぼくが落ち込んでいたら、そっとそばに近づいて、「にゃー」と一言声をかけてくれる。

 次第にぼくは、猫をかわいいと思うようになっていた。これからもずっと一緒にいたいと考えるようになっていた。

 けれど、猫は死んだ。

 もともと病弱な身体だった上に、怪我をしたから、余計に危ない状態だったらしい。そうとは知らずに、ぼくは猫に幾つかの悪いことをしてしまった。それだけで、涙が出そうだった。

 家の前に、猫の墓が建てられた。ぼくは墓に近づいて、小さく鳴いた。

「ワン!」

 天から、猫の声が聞こえた気がする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ●最後の「ワン!」を読んでしばらく ん?って思うくらい「ぼく」が子供で犬だと気づかなかったです。 [気になる点] ●悪い点っていうか提案で、猫に名前を付けた方が愛着が尚増す気がします。 […
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ