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内容に人が死ぬ過激な部分があるので嫌いな方は読まない方が良いです。

それとちょくちょくそういう場面は出てくると思うので理解をお願いします

「さぁ皆さん、レッツクッキングー!」

「クッキングー!」



家庭科の先生の意味がわからないテンションに乗っかる玲、さすがっす。玲以外の生徒は毎度の事で無視を決め込んでいる。それはまだ良い方で睨んでいる生徒もいる。イラつくのもわかるが露骨過ぎて笑える。



「今日はカレーを作ってもらいたいと思います」

「カレーなんかルー入れれば完成だから簡単だよー」

「余裕そうな山峰さん。私は一人でカレー作りに専念したいので、転校生の来音さんも班の中に入れてあげてくださいね」

「あ、はい」

「断る」

「え?」



いきなり横槍を入れて来た俺に驚く先生。玲と俺は同じ班だからだ。何をされるかたまったもんじゃないからな。



「あの班が一番人数少ないのでそっちに行ってもらえませんか?」

「あ、そうね。来音さんはあっちの班に行ってもらいましょう」



来音はスッと俺の横に来るなり言った。



「食事の時間が待ち遠しいわね」



何のことだかわからないがこの平和な日本で大事件を起こすようなことはしないだろう。俺はその時気にもしなかった。



どこの班も自分達で作ったメニューの料理を着々と作り上げていた。しかし、俺たちの班はまだ何も出来ていない。玲が料理ド下手な為、全てがボツとなり残りの材料ではせいぜい野菜炒めがいいとこだ。これまで手伝って来なかった俺と竜也が動き出した。



「この材料だと一風変わったオムライスでも作るか?」

「はいよー、お任せあれ。じゃあ中身作っといてな。俺はれっつーの為にふわっふわな卵作ったるよ」

「グスン…」

「玲、誰にでも不得意なことはある」

「…うん」

「だから…」

「…だから?」

「邪魔だからどっか行け」

「うわーん!!」



タッタッタッタ



俺の棘しかない言葉を受け泣きながら去って行った。これで邪魔者は居なくなったからさっさと作ることにしよう。



三十分もしないうちにオムライスは完成し、班の中でもサラダ担当の子たち合流し食事の時間になった。どの班でも手作り料理の批評をしていて盛り上がっていた。ふとさっきの来音の言葉を思い出し様子を伺って見た。すると、視線を感じたのか立ち上がりいきなり声をあげた。



「みなさん、ショータイムよ!!!」



その言葉を皮切りに校舎三階にあるこの家庭科室の窓から黒づくめの男達が乱入して来た。男達は思い思いの声を上げ、近くにいる生徒から片っ端に殺戮を始めた。この授業の担当の先生も額にナイフが刺さり即死していた。



これはまずいぞ。俺は自衛出来るぐらいの力は持っているが竜也や玲を守る程の力はない。安全な国だからと言って訓練を怠っていた。俺の目の前に黒づくめの男がやって来た。



「忌み子よ、お前に冥土の土産をやろう」



そう言い、取り出したのは玲の頭だった。



「作戦実行前に教室から逃げ出したから有無を言わせず殺させてもらった」



俺は愕然としただ突っ立ってることしか出来なかった。が、竜也は違った。



「てめぇぇぇぇぇ!!!!」

「邪魔だ、餓鬼が」



竜也の拳は黒づくめの男には届かず、七本のナイフが至る所から飛んできた。次の瞬間には黒づくめの男の周りに七人の同じ格好をした男女が集まって来た。



「さて、邪魔が入ったが忌み子の冥土の土産はこれだけじゃない。この二つも見覚えないか?」



それは両親の頭だった。二人の顔は苦痛に満ちた酷い顔をしていた。俺は怒りで壊れてしまいそうだ。



「よし、お前にはもう用がない。じゃあな。恨むならその弱さを恨むんだな」



弱さ…?俺は弱かったから悪いのか。そうか、そうだったのか。



体中に刺さるナイフをぼんやりと眺めたまま俺は意識を失った。



たった一つ思うことは全てを守る力が欲しい。いや、やられる前にやればいい。なら全てを壊す力が欲しい、と。


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