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戦闘シーンの前で区切りました。



いつも短いですが短めとなっています。



「やぁやぁ、生徒会長様じゃないか。随分と幼い子を連れているねぇ。学院見学の案内でもしてるのかい?」

「姉御、いくらなんでも喧嘩腰過ぎるだろ。ここは俺に任せて。生徒会長様はロリコンなんですかな?」

「ぶっ!お前の方が酷い言いようじゃないかい!アハハ、笑えるよ」

「そうか?普通だろ?」



実に面倒な二人だった。一人は姉御と呼ばれている格好がだらしない女で、素行が悪い以外をあげるなら美人だが、随分と男っぽい豪快な女の様だ。もう一人は完全にヤクザだ。寧ろ魔法を使うよりも肉弾戦をしていそうで傭兵の学校とやらにでも行けば良かったのではないかと思う。スキンヘッドで片目に切り傷の跡が残っている。体格は筋肉隆々で身長は立ったら二メートルあるのではないかというほどだ。生徒会長ことネイトは顔を顰めていた。話によると生徒会長はこの学院で一番強い者が貰える称号だったはずだ。何故力で黙らせないのだろう。弱みでも握られているのか?



「リー、別の場所へ移動しよう」

「構わないぞ」



どうやらあの二人の喧嘩腰と違ってどうやらこっちは逃げ腰みたいだ。何はともあれ、ネイト個人の問題だ。俺の方から深く関わることは出来ない。



「オイオイ、逃げるのかい?天下の生徒会長様が聞いて呆れるね」

「だな、実はコネでも使ったんじゃないか?」



周囲に聞こえるように大きな声で話し始める二人。周りの奴らは極力目をつけられないように顔を背けるか、近辺からそそくさと退散するかの二種類だ。助けに入ろうとする奴はいないみたいだ。なら俺が助け船を出してやろう。



「うるさい奴らだ。少しは周りのことを考えて喋ったらどうだ?」



俺は喧嘩腰で言ってみた。



「おい、坊や。口の利き方には気をつけないと痛い目にあうよ」

「へぇ〜、どこがどう痛むのかご教授して欲しいくらいだな」

「その物怖じしない心意気は気に入った。が、ケジメはきちんとつけさせてもらうよ」

「姉御を怒らせるなんて身の程知らずだな」



姉御と呼ばれる女は狂気じみた目を見開き俺を見る。なんだその目は興奮するじゃないか。こういう奴は良い駒になる。是非とも屈服させてやりたいな。



「リー、君がいくら風魔法に優れているからと言ってもあの二人には太刀打ち出来るはずがない」

「随分と弱気だな。お前がこの学院で一番強いんじゃないのか?」

「あの二人は別格だよ。生徒会長になんかなりたくないからってサボった二人なんだ。実際のトップはあの女のフェイレスだよ」

「なるほど、それはなかなか楽しみだな」

「何をこそこそと話しているんだい!さっさと闘技場に行くよ!そこのお前らも証人のために全員来な!」



飯を食っている奴もいるのに災難だな。他人事のように見ていたが周りの奴らからしたら俺のせいだと言いたいかのように睨んだな来た。そんな視線を受けつつもスルーする。



ぞろぞろと魔法陣に乗り闘技場へと向かっていく。闘技場の観客席は三分の一が埋まった。結構きているようだ。



「さて、私が直々にボコしてやるから来いよ」



一人で闘技場の中心にやって来た。一人相手に勝ってもインパクトはあるだろうがもっと強いに越したことはない。もう一人も一緒に戦えるように煽るか。



「おい、デカブツ。フェイレスを一人で戦わせてもいいのか?お前はフェイレスの役立たずの腰巾着か?」

「姉御!!!」

「わかったよ、二人でやっちまうよ。この学院に二度と居られなくてしてやるよ」

「おう」



二体一、本来なら卑怯に見える戦いだが、一人の方が煽ったのだから何も問題はない。観客席からは「あの小ちゃい子可愛そうに」「ありゃあ、下手したら死ぬかもしれない」「命知らずな子」と色々言われてるがそれも全て無視する。



「審判はネイトで構わないか?」

「構わないよ」



ネイトを審判にする事で少しは公平に見えるようにする。さてさて、一丁暴れてみますか。



ネイトは額から大粒の汗を流しながら心配そうにこちらを見てくる。が、勝負は勝負。意を決して大きく息を吸い始まりの合図を告げた。



「はじめ!!」






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