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キーンコーンカーンコーン



学校の鐘の音がなると同時に俺は教室に入った。担任はまだ来てないらしく教室内はざわついていた。



「お、れっつーじゃん。おはよー」

「おはよう、竜也」



俺に気づいて挨拶して来たのは倉田竜也(くらたたつや)だ。この高校に来て真っ先に喧嘩した友達だ。二年連続で同じクラスで悪友でもある。



「お前の綺麗な髪はいつも寝癖がついてるな」

「髪なんか気を配る必要性を感じないな」

「そんなに目立つ容姿をしているのにもったいことだ」



呆れたような仕草をする竜也。俺だって目立ちたくてこんな容姿なんじゃないよ。俺の両親はどちらも外人がベースな日本人だ。父親はイギリスと日本のハーフで、母親はスペインと日本のハーフだ。そんな親を持つ俺は全くと言っていいほど日本人要素が含まれていなかった。身長は180cmを越え髪は父親譲りの金髪。瞳の色と顔は母親譲りで、青い瞳に顔は美形だ。肌の色は極端に白い。運動神経も悪くなく本当に両親には感謝している。この人生だけは後悔なく生きたいと思っている。



「うるさい」

「これだかられっつーは…。まぁいいか、俺たち人気者だしな」



そう言い、竜也は俺たちを遠巻きに見てヒソヒソと話していた女子にピースした。全く目立ちたがり屋は面倒だな。けど、竜也も日本人の中のイケメンである。雑誌のモデルになっているぐらいだからな。



「俺と竜也を一緒にするな。…バカに見えるだろ」

「おま、ちょっと、友達にそれはないんじゃないんですかね⁉︎」

「友達だからこそだろ?」

「友達という言葉はそのように使うのは良くないと思います」



若干目をうるうるさせて言ってくるが俺はホモでもはないので無視。しかし、そんなに気にしていないのか話を切り替えてくる。真剣な表情になったので俺も少しは真面目に聞いてやるか。



「頼みたいことがあるんだけどいい?」

「なんだ?」

「宿題移させてくれないか」



やっぱりこいつは馬鹿野郎だった。



竜也が俺の宿題を移す作業に入った時、担任が見知らぬ女の子を連れて入って来た。俺はどっちみちクラスの女子の名前と顔を覚えてないから転校生かどうかもわからない。ただ一言言えるのは嫌な予感がする。でも聖書ことラノベ読む時間は減らせない。



「見つけたわよ。忌まわしきあの2人の子供」



俺を指差し唸り声のような声で呟いた。俺はそういう輩を相手にはしないことに決めている。さっそく無視を決め込む。



「無視は良くないよ、烈夜」

「そこの貴様、忌み子と仲が良いのか?」

「当たり前よ。私と烈夜は幼馴染なんだから。それに私のこと貴様と呼ばないで。私には山峰玲って名前があるのよ」

「そうか…。なら貴様から見せしめに殺してやろう」



パタン



「中二病拗らせたのは十分伝わったから不吉な言葉ばかり言わないでくれ。それに次両親を罵ったら許さないからな」



最後は若干強めに言ってしまいクラスの中で気の弱いやつは顔が青ざめてしまっていた。悪いことをしたと反省してるから許してね。



「さすが忌み子。今日は何もしないが大切なものは自分で守れるようにしとくがいい。零れた水は救えないからな」



そう言うと姿が消えた。こりゃたまげたぜ。ガチな感じの魔法使いじゃん。



ラノベを読むことによって手に入れた色々な知識は、俺の魔法と魔術の発達に多いに役立っている。前世より立派な研究結果も得られている。この世界の創造力の凄さには本当に尊敬の意しかない。



しかし、どうやら俺の平穏な日々は終わってしまったようだ。あいつには要注意だな。担任が黒板に名前を書いてくれていた。来音輪廻(くるねりんね)か。珍し過ぎて怪しい。それよりも両親を忌まわしいとか言うのは許せない。あの2人だって懸命に仕事をしているんだからな。でも仕事の内容知らない俺はなんとも言えない違和感が拭えなかった。



なんだかんだ言っても来音輪廻は魔法を使った。短距離移動用の転移魔法だったため、遠くに逃げたわけではないということがわかった。



俺は気づかなかった。この出来事が俺を歪ませるとは…。

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