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「三日ぶりの獲物だ!金目のものはなんでも奪い尽くせ!!」
俺たちの目の前に現れたのは四十人近くの盗賊団だ。俺は金なんか生み出せるから持ってないんだがな。他のやつから見たら金を持っているように見えるのか。俺は黒い服装に身を包み、黒髪黒目のアースで言う典型的な日本人だ。確かこのネイグラントは色で種族を判断していたはずだが、その判断をすべき髪はフードを被っているためわからない。隣にいるマリリンの服装を見て見ると、魔神の位にいたため服装は豪華だが、黒を基調としている。よく見ると魔道具か何かなのか知らないがネックレスやブレスレットなど色々と着飾っている。女なだけはあるな。髪の色は七罪全員合わさると虹になる。つまり、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫だ。その中で色欲のマリリンは鮮やかな紫だった。
服装を見終わり神界から降臨して初の生物にどんな反応をしているかと思い、顔色をうかがって見た。結論から言おう。すんごい怒ってる。まるで汚物を見るかのような目をしている。
「グリムリッパー様、こいつらをぶちのめしてよろしいですか?」
「構わないがあまり大規模な魔法とか使うなよ。色々と面倒なことになるから」
「わかりましたわ」
グリムリッパーって邪神の時の名だから偽名を考えて置かないといけないかもしれないな。そんなことを思っていると、マリリンは俺が生み出した五十センチほどの杖を手にし盗賊団を容赦無く殺しているところだった。マリリンは自分の魔力を使わずに、純粋な杖の力だけで戦っていた。杖には二十メートル圏内の重力とベクトルの向きを変えられるような付加機能がある。だが、格下にしか使えないのが玉に瑕だな。
マリリンは多少は頭を使っているらしく、近づいた盗賊を宙に浮かしては落ちている小石で頭を穿ち、弾け飛んだ頭の破片や血も操作しあらかじめ作って置いた穴に貯めていた。そこまでするくせに死体はその変にポイだ。何がしたいんだ?
盗賊が怯えて逃げ出し始めた。マリリンの杖の圏外にいるのは俺が片付けておこう。俺はあらかじめ用意しておいた投げナイフをサクサク急所に投げつける。叫ぶこともままならず死んで行く。
あれ、この大惨事どうするんだ?