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記憶の無い少女へ*.。・゜*.。・゜*.。・゜祈り  作者: 遥瓶
第一話 揺れた時刻
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to2 花の咲く道

 第一話 揺れた時刻 to2 花の咲く道

∮―――――――――――――――――――∮


「この電車は、池沢、推名、花の瑞方面、飯花区役所行きです。」

車内アナウンスがかかった。


ガタン――。


リズムよく揺れていく鉄道に揺られながら、僕は窓の外を見ていた。 


どちらにしろ僕が今利用しているのは地下鉄なので、窓の外に何か映っているわけでもないのに。

廃墟のような壁一点を見つめていた。



キーッ!!


「…」

耳を掠めるような音をたてて、どんどん行く。


「本日は、市営地下鉄  桜咲線をご利用いただきまして、ありがとうございます。お年寄りや、身体の不自由な方に、席をお譲りください」

アナウンスが流れる。 

(何度も何度も 解ってるよ。)


地下鉄なので、ここの線はほぼ一分置きに駅へ到着しすぐに発車する。


「―――軽い地震なんて、いつでもあるんだ。」

僕はひとりごとをつぶやく。

気にかかっているのは、先ほどの地震のことだった。


「まもなく、葵咲、葵咲。お出口は右側です。市立大学病院、葵咲歯科方面は、ここでお降りください。和咲線ご利用の方は、お乗り換えです。」

僕の隣の席の人が立った。


大体、席も埋まってきて そばで立っていた社会人も、開いたのがわかると、僕の横に座る。


ただ、僕は終点まで乗っていなくてはならない。


∮∮∮∮∮


ほぼ空っぽになってしまった車内にアナウンスが流れた。


「みなさま、ご乗車、ありがとうございました。次は、飯花区役所、飯花区役所、終点です。」

僕はケータイの着信に気付き、ケータイを開く


「―・・・」

了解、今日家に居ないから、ご飯作って食べてね。の二言だけ。


別にそれだけで十分だ。


「まもなく、飯花区役所、飯花区役所。終点です。お忘れ物のないように願います。お出口は右側です。」

僕を急かす用に、アナウンスが流れると ゆっくりと立ち上がった。


「ふー!」


ココへ来るまで四十分もかかってしまった。


そうまでして 来たかった場所―…

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