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1、高校生なキミ(4)

「朝から熱心ですね、壱垣先生。生徒の名前チェックですか?」

「あっ!おはようございます岸本先生」


目の前の生徒名簿に見入っていたため、声をかけられてはっとした

2年2組

そこに香の名前があった

昨夜、壱垣は香に「何組なのか?」と聞いたのだが彼女は答えなかった

「探しなよ、いち『先生』なんだから」と、いたずらっ子のように笑って言われた

だからこうして、壱垣は香のクラスを朝から探しているわけだ

2年って・・・俺担当じゃない

だから香がこの学校にいる事だって知らなかった

もし、昨日あそこで香と会ってなかったら

香を知らずに学校生活をしていたかもしれない

そう思うと、昨日あの場所にいてホント良かったと思う

名簿を閉じると同時に予鈴のチャイムが鳴った

あわてて教材を手にし、職員室を出る

廊下に出ると遠目に2人の男女の姿が目に付いた

いや、男子生徒より女子生徒のほうに目がいったというほうが正しかった

遠目でもわかるそのうしろ姿は

香だった--------





なにやら楽しげな会話のようで、とても楽しそうに笑う横顔が目に付いた

無性に腹立たしい

こんな場面これからいくらでも考えられるはずなのに

冷静でいられない自分がいる

そんな風に笑うなよ

そいつが勘違いするだろ

ほら、めちゃくちゃお前を見てる

あ!今、肩さわったぞ

セクハラだ!!!!

って、俺はストーカーかよ



そこまで相手の男に嫉妬している自分にあきれてしまった

相手の男を見ると、見た事のある顔だった

スズイ・・・いや、スズヤだったか?

そんな名前の生徒会長だ

彼は3年、香は2年

どういう知り合いだろうか

階段下で2人は別れるようで、香が手を振っている

どうやら嫉妬は正しい相手だったようだ

彼は香に惚れている

別れてからも彼女が見えなくなるまでその姿を追う視線

その姿は、まるで自分自身を見ているようだった


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