茸人の話
『どこかの薬師の師弟譚』の登場人物が雑談をするだけの話です。 先に本作を読む事を薦めます。
誰の台詞かを解り易くする為に、台詞の始めに名前が表記されます。
生態について
師匠「茸人は文字通り、ヒトの様に足がついており、歩行する魔法生物だ。」
ロジエ「魔法生物と言うのは、生き物ではないものが何やらか事象によって生き物と様に動く存在、ですね。」
師匠「まぁ上品にいうとそんなカンジだな。動物は多少であるが知識はあるし感情も備わっている。だが茸人には感情も知能も無く、動きも反射で反応しているに過ぎない。
茸人は獣人の出現で森の外まで移動したが、あれは恐怖によるものではなく、単純に場所をとられたから空いている場所に移っただけだろうな。」
ロジエ「はい。あと茸人は陽の当たる場所には行かず、日陰となっている場所のみを移動します。大体は大きな木の根で座って休む事があるんですでしたよね?」
師匠「元は茸なワケだからな。空気中に漂う魔法の力が変異したのが茸人を動かしているとも言われているが、実際の所は未解明のままだ。
もしも解明すれば学会が相当騒ぐことになるな。」
胞子について
ロジエ「わたし、患者のついていた少量の胞子で眠りかけてしまいましたが、でもわたし達妖精は胞子を吸うと不眠の効果が出る筈ですよね?」
師匠「そりゃあ、少量なら胞子だって薬にはなる。上手く調合すれば安眠の薬になるし、もう少し工夫すれば胞子に関わるほとんど症状が治療出来る特効薬になる。
まぁお前の場合、元から居眠り癖があったせいなのもあるがな。」
ロジエ「うぅ…では、わたしが不眠になったのは、多量に胞子を浴びたせい、という事ですか?」
師匠「そうだ。ちなみに人間と妖精の効果はもう知られているが、獣人の場合はクシャミが止まらなくなり、竜人は鼻水が止まらなくなる。」
ロジエ「うわぁ…どちらもイヤな症状ですね。」
茸ゾンビについて
師匠「気管に入ると種族特有の症状がみられるが、傷口から、つまり血管に胞子が入るとそこから養分を吸って茸が体から自生する。そういった状態となったヤツは『茸死人』と呼ばれている。
実際はシんではいないがな。」
ロジエ「何度聞いても恐ろしいですね。実際に目にすると、本当にキノコに操られているようでした。」
師匠「まぁその茸に力を吸われている状態、だからな。意識も朦朧として、ほとんどがただ徘徊するだけだが、ものによっては無意識に攻撃したりと危険な状態にもなる。
そういう時は、縛り上げて身動き一つもとれなくするのが妥当だな。後は体に自生した茸を除去してしっかり療養すれば良い。」
ロジエ「わたし達の場合、相手は獣人でしたから、まず止める事に結構苦戦しました。」
師匠「そうだなぁ。これが『夜』だったら、もうちょっと早く解決したかもな。」
ロジエ「それは勘弁してください。」




