最後に見る夢は…
※【第0章】(第1話)何が起きたんだ?※
今になって後悔はしたくない。ただ人生の中に何回か重要な分岐点があったと思う。人生後半になり振り返って見ようと思う。
何故、このようなことを考えるようになったのか?それはここ最近何度も夢と現実が解らなくなってきている。
具体的には解っている。夢のほうが辛かったことも多々あるが、大半は楽しいこと、嬉しいことのほうが多い。
さて、ここは夢か現実か?おそらく現実だろう。いつもの道を疲れ果てて歩いている。道端に綺麗なビー玉が落ちている。普段は素通り。特に気にせずに通り過ぎる。
この時だけはわざわざ戻って拾うことにした。有り得ないが無性にそのビー玉が欲しくなった。
…なんだろう?この世界では例えることが出来ない色だ…
突然、電気のような、痺れる感覚に。経験したことのない感覚だ。空高く自分自身が舞うような、いや、実際に。
空を飛んでいるのか?眼下に見覚えのある町並みが見える。
これは夢だったのか?よくあることだ。夢の中なら、夢?でもあまりにも景色、街並みがリアルだ。手に持ってるビー玉もひんやりとした感覚だ。痺れは消えたが。
これは、何かおかしい。夢なら方法がある。夢から目醒めることを特技としている。一度強く強く目を閉じて、その後開いて空を見上げる。じゃ、いつものようにやってみるか…
………………変わらないな………………
おかしいな、現実なのか?だとしたら幽体離脱ってものか?
幽体離脱なら俺は死んだのか?何が理由で?
360度スクリーンのように全てが変わった。でも、知っている。ここは!小学生の頃、よく遊んでいた公園だ。
懐かしいな。この頃は純粋に楽しかった。学校の帰りを、ランドセルを置いて公園でみんなとサッカーを。
次々と集まってくる。誰かが必ずサッカーボールを持ってくる。楽しそうにみんなではしゃいで…あっ!このシーンは?
この後叱られるんだよな。高々とあるはずの公園ネットを超えてボールは近所の家に。あーあ、ほら、おじいさん出てきた。片腕のない、厳しそうなおじいさん。
謝ってボールを返してもらい、気をつけながらサッカーを続けている。これ、何回か起きるんだよな。次はもっと怒られるぞー。次だ。この男の子だ、ほら、ヤバい!
ボール…もう知らないぞ〜。そもそもネット低くないか?
ポンっ!空中で戻った?何?そんなこと記憶にないぞ。そもそも空中で戻るなんて有り得るの?ふと見たらそこにいたのは?
可愛い少女だ。俺から見たら孫くらいか?空にいるってことは俺と同じ幽体離脱?
【お嬢ちゃん、君も幽体離脱なのかな?幽体離脱って解るかな?どこからきたの?】
少女は、ムッとした表情に変わり、
【君も同じなの?それにお嬢ちゃんってやめてくれない?君のほうが年下でしょ?】
いやいや、俺は君のお父さんくらい、もしくは少し若いおじいちゃんくらいでしょ?
【お嬢ちゃん、冗談うまいね!どこからきたの?】
【だからさ、年下のくせに、大人ぶるのやめて!】
何いってんだろ?でも、嘘ついてるように見えないな。
【じゃ、ごめんね。言い方変えるね、君は俺が何歳に見えるの?50歳超えてるように見える?少しは若く見えるかな?】
少女は、笑いながら、
【10歳くらいじゃない?何が50歳よ。変なこと言うんだね】
えっ、!何言ってんだろ?冗談なのに真顔で言って…
【降りてそこの鏡見て、さっきからつまらない冗談ばかり】
そこまで言われるの?こんな子供に、ムキになっても仕方ないね。じゃ、鏡で写った自分を………………………………………………………
………………………………………ウソ〜〜〜〜〜!………………………………………
何これ?子供じゃん!小学生の俺じゃん!
少女も降りてきて、ぼそっと、
【解った?バカなこと言ってたの?】
俺は、これが俺?