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66 夏祭りの予定




 みんなとした夏祭りの約束はまだ一週間も先だ。


 …なんて思っていたけど、レタリング検定の勉強をしていたらあっという間だった。もう明日から夏祭りが始まってしまう。


「ねぇねぇお兄ちゃん」


 合格証を受け取った日。

 帰ってきた僕は妹とお昼ご飯の用意をしている。


「今年も昴ちゃんや隼人くんと夏祭り行くよね?」


「あー…そうだな」


 僕らは子供の頃から毎年、幼馴染のみんなと夏祭りに行くのが恒例なんだ。でも夏祭り初日はもう西木野さんたちとの約束を入れている。


「一日目は先約があるから別日に行こうか」


「はえ~この前のプールといい、お兄ちゃんすっかりリア充だね」


「…そうかもな」


 普段なら否定したいところだけど、五十鈴さんと一緒に夏休みを楽しんでおいて充実してないなんて言えない。そんなことをクラスメイトの前で口にすれば嫌味に聞こえるだろう。


 同じクラスの池永くんと野田さん、夏祭りで何かしらの行動に出るのかな。


「実は私も学校の友達と行く約束してたんだ」


 そんなことを考えている間も妹は話を続ける。


「そういえば昴ちゃんが行けなくなるかもって言ってたよ」


「昴が?」


「にゃいんのやりとりは逐一確認しないとダメだよ~」


「…」


 この一週間、試験勉強でスマホをちゃんと見る暇がなかった。僕が見れていない間、西木野さんたちはかなり話を進めてそうだ。





 作った炒飯とワカメスープを食べながら、僕はスマホでにゃいんを開いた。


 思った通りグループには未読が124件も溜まっている。


 それで一通り過去のやりとりを見て内容を確認した。

 一日目は予定通り五十鈴さんグループで夏祭りに行くことになるけど、昴が急遽部活の助っ人に駆り出されて行けなくなった。そしてもちろんこの集まりに涼月くんと妹は混ざらない。


「じゃあ一日目は各自のグループで夏祭りに行って、二日目は幼馴染組だけで行こうか」


 次の日なら昴も空いてるし、五十鈴さんは二回目でも喜んで来てくれるはず。問題は面倒くさがりの涼月くんだけど、妹が誘えば大丈夫だ。


「涼月くんはお前から誘っておいてくれ」


「了解!」


 妹は炒飯を頬張りながら敬礼する。


「五十鈴さんには僕から伝えておく」


 五十鈴さんグループなら西木野さんたちが勝手に話を進めてくれるけど、幼馴染組の進行は僕がやらないと始まらない。


 明日からまた忙しくなりそうだ。


 人混みとか同級生とか不安要素は色々あるけど、初めてのお祭りで五十鈴さんがどんなリアクションをするか楽しみだな。

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