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丑三つ時の団地妻

掲載日:2009/11/03


 丑三つ時の団地。


 私は、貝塚皐月。歳は二九。結婚生活は六年目を迎えた。三歳になる愛らしい娘がいるし、外で汗と涙と鼻水を流して仕事に励む夫もいる。私は私で、学生時代の文芸の経験を生かして同人誌作成の活動をしているの。文芸は、中学高校大学とやり通してきたわ。……そうよ。勤めていた会社は、夫と結婚して寿退社をしたのだけれど、何か? 社内恋愛って、何かと燃えるものを感じない? 二人だけの秘密って感じがして。ねえ。感じないの? 私は、もう、ビリビリと感じていたわよ。感じて感じて感じまくって……ああ……すっ……、凄いっ……!


 イケないかしら?


 本題に入るわ。

 団地で私たち家族へと、次のような噂が耳に入ってくる。「四階と五階の間の階段に、少女の幽霊が出てくるらしい」

 ちょっと、期待していいわけ? 本当の本当に女の子の幽霊が出てくるのね? 嘘じゃないのよね? 目撃者の住人たち数名から取った証言は、やっぱり本物なのね? メモ帳片手に執拗に食い入って聞き込んだことは、無駄ではないのね? 信じるわよ? 私、あなた達の言葉を信じるわよ。信じちゃうんだから! 団地妻である、この私の生活空間の範囲内に異界の住人が居るのね! ある本で読んだ怪奇体験談で、幽霊から助平なことをされた人妻の証言が掲載されていたわ。本当なの? 幽霊から、あんなことやこんなことをされている最中はどのような感じだったの?


 背徳感?

 嫌悪感?


 ふう……。なんだか、疲れちゃった。BLをしながらだと、ついついイケないことをいろいろと浮かべてきちゃった。テヘッ。こんな時には気分転換。娘と夫を起こさないように部屋から出て、階を下ってゆき階段の辺りまでに到達した時に、不穏な空気を感じたから階数を確認したの。そこは四階の階段だったわ。折り返しの所に、人影を見た私は息を呑み、唇を噛み締めた。それは、ブレザー姿をした女の子だったの。全く知らない女の子だった。私の体中から脂汗が噴いて、寝間着を肌に張り付ける。背中を向けていた女の子は私に気づいたのか、ゆっくりと振り返ったの。俯いていた顔が上がってくる。そして私と目が合った。

 その女の子の顔は……

 その女の子の顔は……

 いやんっ。可愛いんっ。

 私は、その場から走り出して娘と夫の寝室に飛び込んだあと、勢いよく襖を開けて興奮して叫んじゃった。


「でっ、でたっ!!」



『丑三つ時の団地妻』完結


このような拙作を読んでいただきまして、ありがとうございました。団地妻です。団地妻ってだけで、充分エロです。

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