表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/24

03 決定権は料理人にあり


 魔猪か渡り鳥かの最終ジャンケンで、なかなか決着がつかなかった。

 街門前で恥をかき続けたくないヒロが出した「先に狩った獲物が今日の夕食です」との折衷案は即座に受け入れられ、食べたい肉に集った面々で狩りに向かったのだ。


「渡り鳥は不利だよなぁ」

「弓と魔法が魔猪ですからね」


 ソロリソロリと近寄れば、同じ速度で距離をあけられる。駆け寄って槍や剣で突こうにも、縞柄鳥はいっせいに空へと飛び立ってしまうのだ。

 コズエは恨めしそうに、ヒロは苦笑いで、コウメイは負けを受け入れたすっきりとした表情で、手の届かぬ空を見上げている。


「魔猪で何作ろうか?」

「ミルフィーユ鍋じゃないんですか?」

「トンカツも、ソーセージも、ステーキもできるぜ?」


 コズエは目を細め、疑うようにコウメイを振り返った。


「アキラさんが珍しくお肉を食べる気になってるのに、他のメニュー作れます?」


 できるわけない、とヒロの表情も語っている。

 コウメイはバツが悪そうに顎を掻いた。


「ミルフィーユ鍋、嫌いじゃないですし、大丈夫ですよ」

「俺はシュウさんが爆発しないか心配です」


 彼は初回で負け暴牛を諦めている。トンカツあたりを希望して魔猪狩りに参加したのだろうし、とヒロは苦笑いだ。


「メニューは料理人に決定権があるんだ、諦めてもらうさ」


 コウメイはそう言って、帰りに玉菜をいくつ買うか考えはじめた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ