第一話 因果?~神の悪戯ってあるんだなって~
連載していくつもりですがこちらの更新速度はかなり遅いです。
それに加え話をどこまで広げるかも考えている状況です
まぁとりあえずどうぞ!
俺の名前は吾妻幸喜、19歳。中卒で引っ越し屋のアルバイトをしていた。今日も仕事で階段を登っていた。その途中で足を滑らせて階段から落ちた。そこまでは覚えているし、何も異常はない。でも、目が覚めた俺の前に広がる光景は、病室の天井でもなく、青い空の下でもなく、俺の知らない馬車の荷台。周りに見える建物は、どう見ても現代の物とは別物。
つまりこれはあれか?最近話題の転生ってやつか?あれか?俺のステータス最強とか特殊能力とかあるのか?てかどうやって調べるんだ?困惑と興奮で頭の中がごちゃごちゃになる。
という過去が俺にはある。今はすっかりこの世界に慣れて、楽しく暮らしている。ひとつだけ不満があるとすれば、今の仕事だ。神の悪戯か、ただの偶然か知らないが俺の今の仕事は運び屋だ。この世界の運び屋の仕事内容は商人や商店が扱う商品の運搬、魔物の駆除や護衛なんかも引き受ける。一番の仕事は…前世で俺がやっていた引っ越しの仕事だ。生まれ変わっても、俺はこの仕事をやることになるらしい。天職なのかもしれない。魔物と戦わなければいけないので、戦うための力も手に入れた。まぁほとんどは前世の知識に基づくものだけど転生したことによる、よくあるチートステータスのおかげだったりする。
転生してから二年ほど経過しているが、その間に俺は仕事に使う新しい道具を開発したり、盗賊に襲われる女の子を助けて付き合い始めたりと、主人公していた。
そうして思考していると声が駆けられた。
「コーキ!コーキってば!聞いてるの!?」
ハッと我に返り、声のする方を振り向く。そこにいたのは、
「ねえ大丈夫?調子悪いなら休んでてもいいよ?」
一年ほど前に助けて以来一緒に仕事をする俺の彼女。リーシア。
この子はもともと戦争孤児で、奴隷商に連れていかれる途中だった。その途中で盗賊に襲われ、連れていかれそうになったところを俺が助けたわけだ。
「大丈夫だよ。少し考え事をしていただけ。それよりどう?順調に行きそう?」
「天候とかは大丈夫そうなんだけど、さっきからこの子たちが周りを警戒してて…」
「警戒か…。この子たちかなり気配に敏感だからね。何かいるんだろ」
俺たちの言うこの子たちは、今乗っている荷車を引く二頭の馬だ。この二頭もリーシアを助けたときに保護した。
あの事件があったからなのか、悪意のある人間や害意を持つ生き物を感じ取ることに長けている。
「コーキ、私も感じた」
「うん。俺も感じた。これは盗賊だね。しかも大人数」
チート持ちの俺よりも先に感じ取ったリーシアは普通にすごいと思う。
彼女もまた特別な人物なんだろう。ステータス欄のスキル項目に???がいくつもあるし。
考えことをしながら進んでいくと、林道の中から盗賊たちが姿を現した。
「よう。兄ちゃんたち。その積み荷と女を置いていきな。そうすりゃ兄ちゃんの命は助けてやるよ。女の方は、ハハハ!まぁ簡単には殺さないさ」
その言葉に仲間たちも笑い出す。
盗賊のテンプレ!素晴らしいほどにテンプレ!最近見てなかったから、なんか懐かしい!
「盗賊の皆さん、今までどれだけの通行人を襲いましたか?」
「あ?そんなこと聞いてどうすんだよ」
「いえね、それによって貴方たちをどうするか決めようと思いまして」
「女一人と男一人で何ができるんだ?笑わせるんじゃねえよ」
そうして、各々の得物を構える盗賊。見た感じかなりの人を襲ってそうだし、問答無用でいいね!
「リーシア、どうする?練習したいこととかある?」
「私はいいかな。それよりコーキ、前に話してたアレ試さないの?」
「そういえば!ちょうどいいから試してみるか」
「相談事は終わったのかな!?」
「はい。リーシアを奪われるのも積み荷を奪われるのも嫌なので、抗いたいと思います」
荷車から自分の得物を取り出しながら答える。
「ハッ!ここで抗ったこと後悔するんだな!」
盗賊が一斉に襲い掛かってくる。
それを
「そっくりのままお返しします」
小声のつぶやきと共に構える。
「死ねクソガキ!」
1人目の盗賊が剣を振り下ろす瞬間、軽くバックステップ。
着地の瞬間素早く踏み込み、振り下ろした姿勢の賊に肉薄。鳩尾に叩き込む。
すると、なんということでしょう。拳を叩き込まれた賊は、上半身に大きな穴をあけているではありませんか。
「ゴフッ」
血を吐きながら倒れる男。その光景を目の当たりにした他の賊は、硬直。何が起きたのか状況に頭が追い付いていない。
「コーキやりすぎ」
「え~?これでも踏み込みによる強化はやってないよ?」
「そもそも、こんな賊にそれ使う?」
リーシアが指差すこの武器。名前は分からないけど、俺の知る中で一番近いのは、某狩猟系ゲームの穿龍〇が近い。違いは、伸縮自在だったり、盾や剣、銃(二丁拳銃で肩までの装甲付)になったりもする。今はほとんどそのままの状態で使っている。
「こうゆう掘り出し物があるから、遺跡調査隊の護衛はやめられないよね」
呑気に会話してるうちに、賊達も回復したみたいだ。声を荒げて
「テメエいったい何もんなんだよ!?」
そんなことを聞いてくる。
「ただの運び屋だけど?」
何を当たり前のことを。
「ふざけんなよ!お前みたいのがただの運び屋なわけないだろ!?」
「ッ!ボス!こいつの顔、思い出しましたよ!運び屋の中でも護衛依頼と引っ越し依頼を専門で受け持つ変わり者!盗賊に対する容赦のなさから周りからは、対盗賊殺傷兵器と呼ばれる男。コーキ・アズマですよ!」
「こいつが!?」
盗賊達から驚いの声が響く
たいして俺達は
「え、何それ。対盗賊殺傷兵器?初耳なんですけど。俺そんなふうに言われてるの?」
「え?知らなかったの?」
また呑気に会話していた。というかリーシアや盗賊が知っているのに、なんで俺だけ知らなかったのか…
「だから何だってんだ!こっちには50人いるんだぞ!数で押しきりゃたかが一人殺せるだろうが!」
ボスの叱責に怯えながらも得物を構える盗賊。
「50人ですか。殺し甲斐がありそうです!」
今度はこちらから突っ込む。俺の使う武術は、前世の世界の物がベースだが、曖昧な記憶のためほとんどがオリジナルだ。
踏み込みその衝撃を拳に載せ、腹に風穴を開ける。
顎へのアッパーカットで骨を砕く。
穿龍〇…名前がないのは不便だな。…双拳鵬颯とでも名付けよう。
鵬颯をモードチェンジ。一振りの大剣と化し、人体を切断。
モードを変えガンカタスタイルで敵を屠る。頭を心臓を的確に打ち抜く。
更に肩までの装甲をそのままに、拳を覆いその先から刃が出現。高速移動を要としたヒット&アウェイで敵を細切れに。緩急をつけた動きについていけない賊達はあっという間に全滅。林道に残るのは様々な死体の山。
返り血を水魔法で流し、濡れた服を風魔法で乾かす。
「さてと。行きますか」
「はーい。あ、衛兵には連絡したからそのうち回収に来ると思うよ」
「おーいつも悪いね~」
「そう思うならもう少し加減してよ…」
そんな会話をしながら二人は、今日の依頼主のもとに向かうのだった。
どうでしたか?
あいも変わらずへたくそだと思います
へたくそなりにこちらも頑張りますのでお願いします!