ギルドマスターたちは占ってもらいました
イバラーク(32)
農業ギルドのギルドマスター。
赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。
農業以外は何でも器用にこなす。
ホッカイ(19)
輝くような銀髪に青い目を持つハーポーンの英雄。
農業初心者だが、農業が好きすぎて農業をしているとしょっちゅうデフォルメされた二頭身の姿になっている。
アキータ(17)
紫がかった長い黒髪で髪色と同じ色の目は大きい。怜悧な美貌の持ち主。
天才薬士として有名。
地獄の底からやってきたイバラークの天敵。
トトリ(19)
おっとりとした見た目の美しいお姉さん。長い黒髪を肩から前に流している。その可憐な姿はハポンナデシコ。
元暗殺者。
そしてきょぬー。
アモリン(24)
桃色の髪を後ろで髪留めを使ってまとめている。
占い師。
エロいお姉さん。もはや変態。
アモリンの前には不思議な模様の入った板が置いてある。
金属のようにも見えるし、石版のようにも見える。
大きさは両手を広げたくらいだ。
そして、ペンデュラムを右手に巻きつけて板に手をかざす。
「おお、雰囲気出てるな」
イバラークが遠慮もなしに覗き込んでくる。
精度の高い結果を得るには集中しなければならないので、邪魔はして欲しくないのだが。
これくらいならば今までの客の中にもそういうのがいたので、占えないほどじゃない。
アモリンは集中する。
この板はアモリンの家に代々伝わる占い道具でスターブックという。
使い方だけは口伝で伝えられてきたが、いつからあってどうやって作られたのか、どうやって手に入れたのか、今となっては誰も知らない。
ペンデュラムのほうはアモリンが王都で購入したものである。
怪しげな露天商から購入したのだが、これはアモリンの占いに従っただけである。
結果スターブックほどではないにしても、占いの力を補助する役割をしっかり果たしてくれている。
「・・・・・・このギルドはやがて世界を救うわ。大いなる困難を打ち破り、脅威を遠ざける。それは本来ならありえないような結末。思いもよらない力で成し遂げられる。誰もがこのギルドに感謝する。みんなが幸せになれる」
アモリンの額にはうっすらと汗が浮いている。
消耗が激しいらしく、アモリンは一息つく。
占いとは、当たるも八卦当たらぬも八卦というが、アモリンのそれは絶対に当たると思わせるような雰囲気があった。
アキータでさえ口を挟まずに聞いている。
「あと、アッキー。あなたの周りにはあなたに感謝している人でいっぱいの未来が見えたわ。中にはあなたを女神のように崇める人もいるわ」
「・・・・・・当然の未来ね」
アキータはなんだそんな事かとばかりの顔をする。
アキータにとっては容易に想像できる未来だったようだ。
そんなアキータにイバラークは呆れた目を向ける。
「ホッカイ君は・・・・・・う~ん、なんていうかよくわからないものに囲まれてるわね。でもとても幸せそう。世界を救う一番の功労者はあなたよ」
ホッカイはよくわからないという顔で小首をかしげて見せる。
ただ、世界を救うという点では一番ふさわしい人物なのかもしれない。
今までもいろいろな人を助けてきた彼である。
きっとこれからもそうなのだろう。
「トトちゃんはね~、もうね、スゴイ量の男に言い寄られてる。この未来を変えるためにはとっとと身を固める事ね」
それは占うまでもなく現時点でもそうな気がするが。
まぁ、未来でも変わらずそういう運命にあるのだろう。
「で、俺は?」
「あ~、イバさん? 見て欲しかったの? いい加減疲れたんだけど」
「俺だけ仲間はずれ!?」
アモリンはため息をつくと頬杖をついてペンデュラムをぶんぶん振り回す。
「ヘッドスピンしながらトレンジ食べて踊りだすわ」
「俺だけ適当だな!?」




