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ギルドマスターも知らないホッカイの過去⑦

イバラーク(32)

農業ギルドのギルドマスター。

赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。

農業以外は何でも器用にこなす。


ホッカイ(19)

輝くような銀髪に青い目を持つハーポーンの英雄。

農業初心者だが、農業が好きすぎて農業をしているとしょっちゅうデフォルメされた二頭身の姿になっている。


アキータ(17)

紫がかった長い黒髪で髪色と同じ色の目は大きい。怜悧な美貌の持ち主。

天才薬士として有名。

地獄の底からやってきたイバラークの天敵。

 タスマーニャ村まではいくつか宿を経由しないと野宿になってしまう。


 というわけで、イバラーク達も宿を経由していた。


「あ、部屋二つで」


「あいよ、夕食と朝食付きで白貨24枚ね」


 イバラークは金貨が入った袋からはお金を出さずに、自分の財布からお金を出す。


 宿の主人はさっと枚数を数えて間違いが無い事を確認。


 カウンターの中にお金をしまいこむと、三人を部屋に案内する。


 部屋までの間、気さくな主人が話しかけてきた。


「お客さん達、どっから来たんだい?」


「ハーポーンの王都だよ。これからタスマーニャ村まで向かうんだ」


「へぇ、そりゃ大変だ。ここまでだってだいぶかかったろ?」


「そうだな、ここまで一日がかりだ。用事は早めに済ませたいんだがな」


 イバラークは渋い顔をする。


 暇に見えて、意外とやる仕事はある。


「なんだい、馬車で来たのかい。金持ってんだねぇ」


 馬車でハーポーン王都からここターイピー村まで来たら、金貨一枚では足りない。


 途中宿に泊まるとなると、御者の滞在費も負担しなければならない。


 というか乗せてくれる馬車がなかなか見つからないだろう。


 長距離過ぎると野宿となり、襲われる可能性も高くなるためだ。


 当たり前だが、危険な仕事を引き受けてくれる者は少ない。


「そんなもったいない事しねぇよ。徒歩だよ、徒歩」


「はっはっはっ、バカ言うな! 馬車を使わず一日でここまで来れるわけないだろ」


 宿の主人がそう言うのも無理はない。


 客を乗せる馬車はそんなにスピードを出さないとは言え、人が歩くよりはずっと早い。


 まさか王都からここまで走って来るわけでもなければ、馬車の方が早いのだ。


 そう、この長距離を走らなければ。


「おっさん、いつか殺すわ・・・・・・」


「どうした小娘、若いくせにだらしがないな」


「?」


 恨めしそうな声を出す美女に宿の主人は不思議そうな目を向ける。


 美女は紫がかった美しい黒髪で、同色の瞳を持っている。


 きめ細かい美しい肌、引き締まったプロポーション、どれをとっても美しいと言わざるをえないのだが、今の彼女は妙に疲れた顔をしている。


 まるで王都からここまで走り続けたような顔だ。


 主人は二階の部屋の前で足を止める。


「じゃ、こことここを使ってくれ。食事は今から一時間後くらいにできるから、食堂に来てくれ」


「どうも」


 イバラーク達は二手に別れる。


 イバラークは一人で、アキータとホッカイは同室。


 宿の主人はそれを見て一瞬意外そうな顔をしたが、若い二人は恋人同士なのだろうと納得したようだ。


「じゃ、一時間後に呼ぶからな」


 その後、三人は夕食をとり、外出する事もなくすぐに体を休めた。


 また明日もハードな行程になりそうだ。

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