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ギルドマスターは嫉妬に燃える変態を見た

イバラーク(32)

農業ギルドのギルドマスター。

赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。

農業以外は何でも器用にこなす。


エヒム(10)

肩口まで伸ばした金髪に青い目。美少女と見まごうばかりの美少年。

農家の次男坊で年齢に似つかわしくない知性と農業スキルを持つ。


アモリン(24)

桃色の髪を後ろで髪留めを使ってまとめている。

占い師。

エロいお姉さん。もはや変態。


クマモン(60)

危険度ランクが高いフューリーベアの中でもさらに強力な個体。

元ララミシアの森の主。

今は農業ギルドでエヒムと共に農業をしながら生活している。

「おい、そこの鼻血」


 イバラークが恍惚の顔で鼻血を垂れ流すアモリンに声をかける。


 返事がない。屍のようだ。


 ・・・・・・本当に屍にしてやろうか。


 イバラークが本気でそう思ったその時、エヒムが代わって口を開く。


「アモリンさん、畑の様子はどうですか?」


 真面目なエヒムは今日も農業指導にこの変態のもとを訪ねてきたようだ。


 ここのところ、新しくギルド員になったフューリーベアもといクマモン関係でバタバタしていて、エヒムも農業指導を行う事ができなかった。


 やっとひと段落着いたので、こうして有害物質の所へ足を運んだらしい。


 まぁ、それはイバラークも同じなのだが。


 クマモンは土地の一区画を与えらる事になったが、クマに農作物を育てる事は難しい。


 そこでクマモンはエヒムの土地で一緒に農業をする事になった。


 どういう事かと言うと、農業スキルの高いエヒムだが、まだ子どものうえ農業指導をしてまわるという仕事があるので、なかなか自分の畑のメンテナンスがはかどらない。


 そこで、クマモンに力仕事でエヒムのサポートをしてもらい、その収穫物を見返りにもらうというスタンスにしたのだ。


 その巨体ゆえのパワーで畑をぐんぐん耕していく。


 ララミスの種の納品でエヒムは中級ギルド員になり、貸与される土地も広がったのだが、なにぶん一人ではなかなか畑を拡げられないでいた。


 しかし、クマモンが来てからというもの畑はぐんぐん拡がった。


 一声吼えて、魔法で身体強化。


 後ろ足で立ち上がると、前足を地面に叩きつける。


 魔法で強化された肉体から魔法の衝撃波が広がり、固められた地面が粉砕される。


 それを繰り返していくと、見る見るうちに畑が拡がっていったのであった。


 そこでエヒムは考えた。


 クマモンの力を借りれば、他の慣れていないギルド員や力の弱い女性の土地を耕す手助けになるのでは、と。


「エヒムきゅんエヒムきゅんエヒムきゅんエヒムきゅん」


 なにやら不思議な鳴き声が聞こえるが気のせいだろう。


 なにやら興奮が最高潮に達したのか、アモリンはエヒムめがけてダイブしようとする。


 が、そこでふと気付く。


 いつの間にか巨大な毛むくじゃらがエヒムの背後に立っている。


「あ、やっとそっちの用事が終わったんだね。待ってたよ」


 エヒムのエンジェルスマイル。


 クマモンがそんなエヒムの頬を舐める。


「あはっ、くすぐったいよぉ」


 びきっ!


 音がしたのは気のせいか。


 空気が割れたかのような音だ。


 やがて今度は火事でもおきているんじゃないかと思うような熱量。


「う、うらやま嫉妬ぉおおお!! クマのくせにクマのくせにクマのくせに! どうせ仕事もしないプー太郎のくせに! クマのp」


「落ち着け」


 イバラークがアモリンを羽交い絞めにして拘束する。


 今にもクマモンにかじりつきそうな勢いである。


「アモリンさん、このこはクマモンって名前なんです。力仕事を手伝ってくれるので、今日は一気に畑を耕しちゃいましょう!」


 せっかくのエヒムの言葉は果たして届いていたのかいないのか。


 嫉妬の炎に焼かれるアモリン本人にしかそれはわからない。

みなさん、いつも読んでくださりありがとうございます。


エヒム君に強力なボディーガードが付きました。

これでエヒム君は某変態さんの毒牙にかかる事もないでしょう。

では、また明日の更新で。

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