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ギルドマスターは変態の扱いに困っている

イバラーク(32)

農業ギルドのギルドマスター。

赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。

農業以外は何でも器用にこなす。


アキータ(17)

紫がかった長い黒髪で髪色と同じ色の目は大きい。怜悧な美貌の持ち主。

天才薬士として有名。

地獄の底からやってきたイバラークの天敵。


エヒム(10)

肩口まで伸ばした金髪に青い目。美少女と見まごうばかりの美少年。

農家の次男坊で年齢に似つかわしくない知性と農業スキルを持つ。


アモリン(24)

桃色の髪を後ろで髪留めを使ってまとめている。

占い師。

エロいお姉さん。もはや変態。

 アモリンは困っていた。


 とうとう大災害跡地の自分の土地に家が建った。


 ここから彼女の農業生活が始まる。


 しかし、この不毛の大地は予想以上に手強い。


 開墾した土地以外は草木も生えぬ、固められた地面。


 こんなところに水道など通っているはずもなく、最寄の池まで水を確保しに行かなければならない。


 ハーポーン王都まで行こうと思っても、のんびり歩いていたら日が暮れる。


 とにかく不便な土地だ。


「アモリン。とうとう家が建ったんだな。ここからお前の新しいスタート・・・・・・って、さっそく困っているようだな」


 アモリンの家が完成した事を、彼女の家を建てた大工から聞いていたイバラークが、アモリンの様子を見に来たのだった。


 そのイバラークがアモリンの家まで行くと、玄関の前あたりで気の抜けた顔をして呆然としている彼女を見つけた。


 若干存在というか色というか、精気というものが抜け落ちて白くなっている気がする。


「なんだ、慣れない農作業に疲れたか? それとも水の問題か? 確かに厳しい土地だからな、ここは」


 子どもの落書きのような顔でイバラークのほうを見るアモリン。


 口から言葉だか魂だかわからないものが出てくる。


「・・・・・・足りない」


「あん? 足りないって、何が? 皿か?」


 か細い声だったのでイバラークは聞きなおす。


 それでも声がか細いので聞き取れない。


 仕方がないので、口元に耳を近づけてみた。


「エヒムきゅん成分が足りない・・・・・・」


「そうかそうか、仕事が足りないか」


 イバラークは帰ろうかとも思ったが、一応これでもギルドメンバーの一人なので放っておくわけにも行かない。


 エヒムは農業指導要員として、農業初心者に指導を行っている。


 家が建つ前から農業についての指導をしていたので、エヒムとアモリンも当然面識がある。


 一度はパンツを見せてくれと頼んだが、アキータに毒殺されそうになってパンツを見る事はできなかった。


 その後もなぜかことあるごとにエヒムと会う時は近くにアキータがいたので、下手な真似ができなかった。


 その上、最近はエヒムに会う事すら困難になっており、とうとうエネルギー切れを起こしていた。


「この際、アッキーでもいいからパンツ・・・・・・」


「やっぱりこのまま干物になるまで待つか」


 世のため人のため、ここで即身仏になってもらうのが一番だとイバラークが思った時。


 天使が舞い降りた。


「アモリンさん、調子はどうですか? って、あれイバラークさんも来てたんですか?」


「エヒムきゅぅん!」


 もとのビジュアルを取り戻したアモリンが興奮してエヒムに飛びつこうとする。


 が、イバラークが上着の襟を掴んで阻止してしまう。


 恍惚の顔でエヒムを眺め、少しでもエヒムの匂いを嗅ごうと鼻をひくつかせるアモリン。


 犬か。


 エヒムは相変わらず変な人だなぁ、と思ったが、周りのみんなが変なので軽く受け流すのだった。

読んでくださる皆さん、いつもありがとうございます。


最近はめっきりコメントを頂く事もなくなりさびしい作者です。

いや、ブックマーク増えてるんだから贅沢言うなっては思うんですが、やっぱり生の声と数字は違いますよね。

コメントをいただけるような良い作品にしていきたいと思います。

で、良い作品になったらコメント下さい!

お願いします。

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