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農業ギルドのギルドマスターはクマでも構わないようです

イバラーク(32)

農業ギルドのギルドマスター。

赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。

農業以外は何でも器用にこなす。


トトリ(19)

おっとりとした見た目の美しいお姉さん。長い黒髪を肩から前に流している。その可憐な姿はハポンナデシコ。

元暗殺者。

そしてきょぬー。


シマーネ(14)

トトリの妹。

姉とは対照的に活発な少女。

齢十四にしてすでに巨乳の片鱗を見せている。

 王都に巨大な熊型モンスターが現れたという噂も新鮮味を失って日常を取り戻した頃。


 再び熊型のモンスター、つまるところララミシアの森の主、フューリーベアが農業ギルドに現れた。


 建物の中には入らなかったが、気配を察知したイバラークとトトリがすぐに外へ出てきた。


「おお、なんだ、また来たのか」


 ギルドのドアを少し開けて外の様子をうかがうトトリの妹シマーネの姿も見える。


 イバラークとは反対に、ちょっとビビっている。


 トトリは怯えこそしていないが、警戒は解いていない。


 フューリーベアはその大きな口を開けると、口の中から石が転がった。


 大人のこぶしくらいの大きさで、緑がかった色をしており、その緑の石は脈打つように光っている。


「なんだ、くれるのか? って、これ、精霊石じゃねぇか!? もらっていいのか!?」


「? マスター、何ですそれ」


 驚くイバラークに対し、トトリはその石を見た事がないのか不思議そうに石を眺めている。


 精霊石はその名の通り精霊の力を宿した石である。


 精霊石の周囲では精霊の加護を得られるので、自然の力が活性化されるのだ。


 簡単に言えば、人が持っていれば治癒力が高まったり運動能力が上がったりする。


 それは動植物にも言える。


 動物は人と同じ効果を得られるし、植物も成長速度が速まり、元気に育つ。


 ララミシアの森が攻略難度高めの理由はこれだったのだ。


 植物はよく育つし、動物やもちろんモンスターもこの石の影響を受けて活性化されていた。


 しかし、逆を言えばこれがなければ今の森の状態を維持できないのではないか。


「こいつは精霊石といって、精霊の加護の力を宿してる。この大きさなら一つで村一つ買える。かつてこいつが原因で戦争した国もあったらしい。ララミシアの森にあったんだろ? これがなくなればお前達は」


 フューリーベアは悲しい目をした後、首を振る。


 イバラークは理解した。


 もう、フューリーベアたちの楽園は崩壊したのだと。


 ナグヤ達の襲撃で動物やモンスターは軒並み死んだか他の地へと去っていったのだと思われる。


 今あるのはただの森なのだ。


 もうダンジョンではない。


 だから、このフューリーベアはこの石を手放すのだろう。


「もしかしてこれ、仕事の報酬のつもりか?」


 仕事の報酬というのをフューリーベアが理解したかどうかはわからないが、感謝の気持ちは伝わってくる。


「ふむ」


「マスター・・・・・・」


 トトリもいたたまれない気持ちになったのだろう。


 イバラークに不安そうな顔を見せる。


「お前、行くあては? どうせないんだろう?」


 フューリーベアは視線を落とし動かない。


 行くあてもなくさまよい、野垂れ死ぬのを甘んじて受け入れるつもりか。


 だがしかし、農業ギルドのギルドマスターはとことん変人だ。


 そんな当たり前の未来など受け入れるつもりはない。


「お前、うちのギルドに来いよ。はい、ギルド員ご新規一名様ご入会でぇす!」


 初の人間以外のギルド員の誕生だ。

みなさん、読んでくれてありがとうございます!


最近思います。

絵が、挿絵が欲しい、と。

お金ためて挿絵を描いてもらおうかな。

何年後になるかわからないですけど・・・・・・

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